2013年4月2日

木の家スクール名古屋2013 4/1から受講生受付開始!【受付終了しました5/7】

木の家スクール名古屋は、4月1日より2013年度の受講受付を開始しました! 

 

昨年度に引き続き、環境やエネルギーの視点による講義も盛り込み、持続可能な社会という大きな背景のもとで、森と人とのかかわり、木の家づくりとその役割を考えていければと思っております。

 

 「近くの山の木を使った家づくり」はもちろんのこと、「緑あふれる居住環境」、「エネルギーの地産地消」にご関心のある生活者・技術者の皆様にぜひ受講いただきたいと考えております。

■■2013講義案内■■———————————————
講義時間:13:30〜15:10 / 15:20〜17:00

 

○第1回:6/1(土)
講師:辻 充孝(岐阜県立森林文化アカデミー講師)
第一部「省エネ法とはなんだ? 1次エネルギーを計算してみよう」
第二部「結露はなぜ起きる? 仕組みがわかれば怖くない」

 

○第2回:7/27(土)
講師:舩岡 正光(三重大学大学院生物資源学研究科教授)
「分子に刻まれた時を読む  森林からはじまる新しい持続的社会を目指して 」
  講師:山下 保博(アトリエ・天工人主宰、建築家)
「 建築家のスケール 」

 

○第3回:9/28(土)
  講師:池辺 潤一(『藤野電力』発起人、本業:自然住宅の設計士)
   「『藤野電力』市民がつくるエネルギー」
  講師:バルテンシュタイン(工学博士、エコライフラボ事業統括責任者)
「自然エネルギーで自己完結する家を作ろう」

 

○第4回:10/12(土) フィールドワーク 滋賀県湖東地域の森とkikitoの
          取り組みを訪ねる
  講師:田中 一則(湖東地域材循環システム協議会&一般社団法人kikito事務
     局長)、他
  「山の現状、森林を循環できる仕組みづくり」

 

○第5回:11/10(日)
  講師:安井 昇(桜設計集団主宰、建築家、木造防火研究者)
  「地震に強く、火にも強く、環境に優しい木造住宅の実践例」
  講師:安藤 邦廣(筑波大学芸術学系教授、 建築家)
  「板倉の技術開発と震災の復興」

 

■連続講座(全5回)
○定員:50名(申込先着順)
○受講料 15,000円 資料代含む(初回受講時に受付にて徴収)

 

■一般公開講座(第3回)の受付概要 WEBにて

 

■会 場:名古屋工業大学
JR 中央線・地下鉄 鶴舞駅下車徒歩約8分
※第4回のフィールドワークの集合時間、場所等詳細は別途連絡

 

■申し込み・問合せ・詳細説明

Web受付もしております。お申し込みの方は以下のサイトへアクセスして下さい。 http://kinoie-school.digiweb.jp/index.html(定員に達したため受付を終了させていただきました)
木の家スクール名古屋WEBサイトからパンフレットをダウンロードできます。
http://kinoie.web.nitech.ac.jp/

 

主催:「緑の列島 木の家スクール 名古屋」 実行委員会
共催:NPO 法人 緑の列島ネットワーク
   名古屋工業大学 木の文化研究フォーラム

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皆様のお越しをお待ちしております!

(文責:木の家スクール名古屋スタッフ・田中稲子)


2013年3月28日

緑の列島 木の家スクール富山2012 第5回 木組のデザインと古民家再生

木の家スクール富山、第5回の講義を開催しました。早くも、2012年度最後の講義です。
今回は、(株)松井郁夫建築設計事務所代表取締役、また一般社団法人ワークショップ「き」組の代表理事もなさっている松井郁夫先生。
松井先生と言えば、伝統構法の家づくり。新築の家だけでなく、古民家再生も含めて木組の家のいろいろな話をしていただきました。
まずは、伝統構法に学ぶ。
伝統構法は、地域によってさまざまなつくり方があると言われているが、全国各地の民家を調べてみると屋根に違いはあるものの、軸組のつくり方はほぼ同じである。
継手・仕口の種類もたくさんあるようだが、整理してみると限られた数しかない。また使う場所が決まっているので、それさえ理解すれば決して難しいものではない。
ところが、現在言われているところの在来軸組工法とは、日本の伝統構法とは全く違うものである。
胴差や間柱などは、西洋のつくり方が教えられるようになってからのものである。
日本の文化・気候風土にあったつくり方としては、古来の伝統構法に学ぶべきであるし、私たち作り手は受け継いでしていかなければならない。
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そして、木組の家の考え方。
荒れ果てる山、消える大工技術、木の家は高い?、木の家は強い?、木の家は省エネ?、こうした問題点がきちんと解決されないまま、企業や大手がつくりやすい方向に進んできてしまった。
それを見直すべく、日本古来の伝統構法を受け継いだ、つまり日本の文化・気候風土にあったつくり方をする。
その際に、誰かが得をして誰かが損をする、というやり方ではいけない。川上から川下までみんなが共存していくやり方でなければいけない。
日本の山の木を使って、山も経営が成り立つようなシステムである必要がある。大きな意味での循環が続いていかなければいけない。
そして、松井先生の新築・古民家再生の実例を紹介していただきました。
これからは、省エネ・温熱環境も考えていかなければいけない。
伝統的なつくり方、また古民家再生のように残せるものは残しながら、かつ快適な住まいの温熱環境の家づくりが必要である。
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今年度最後の講義にふさわしい、山の話・木の話から木構造・温熱環境まで、これからの木の家づくりの講義をしていただきました。
松井先生の講義の中にあったように、現状の問題に気付いたつくり手たちは、顔の見える家づくり・近くの山の木を使った家づくりを始めています。
国産材・県産材を提唱するネットワークが増えたことは事実なのですが、実際に使われている量・出来上がる数はまだまだだと言って良いと思います。
そういう家づくりレベルではなく、街づくりにまでならないと大きな成果は見えてこないのかも知れません。
こういった現状をみても「緑の列島ワーク」もまだまだ頑張らねばなりません。
今後とも、「緑の列島ネットワーク」よろしくお願いします。
また「緑の列島木の家スクール」富山・名古屋も続けてまいります。
木の家スクール富山も、来年度同じ時期に開講する予定ですので、よろしくお願いします。

 

緑の列島木の家スクール富山事務局 草野鉄男


2013年2月20日

緑の列島 木の家スクール富山2012 第4回 改正省エネ法基準解説セミナー

木の家スクール富山、第4回の講義を開催いたしました。
今回は、省エネに関する講義です。講師は住まいと環境社の野池政宏先生。
建築実務者の方はご存知の通り、省エネに関する動きが目まぐるしくなってきました。
ゼロエネルギー住宅や認定低炭素住宅、そして省エネ法が改正となります。
現在の省エネ法基準でさえついていけない人が多いというのが現状だと思います。
また、この省エネ法に対して賛否両論あるようですが、賛否の前にまずはどういう内容のものなのか、そして今回の改正でどう変わるのかを知っておく必要があります。
木の家スクール富山の第4回講義は、今回の改正にあわせて「認定低炭素住宅と改正省エネ法基準丸わかり解説セミナー」と題して講義をしていただきました。
改正と言っても今の基準はどういう内容なのか?、それに対してどう変わるのか?

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まず、現在の省エネ基準
基準には、性能規定(建築主の判断基準)と仕様規定(設計・施工指針)がある。
1、性能規定① 年間暖冷房負荷の基準
2、性能規定② 熱損失係数(Q値)・夏期日射取得係数の基準(μ値)の基準
3、仕様規定  躯体・開口部の断熱性能の基準
上記のように、性能規定に2つの基準と仕様規定が1つの基準と、3つのルートに分かれる。

そして、今回の改正によって
1の基準は無くなる。
2の基準は、Q値→Ua値・μ値→ηa値となり、計算方法も少し変更となった。それに加えて、一次エネルギー消費量の基準も満たす。
3の仕様規定は、無くなる?、移行期間としてしばらく残す?、いずれにしても無くす方向へ。
以上のような改正になるが、これまではほとんどの人が仕様規定に頼っていたため、それが無くなることによりUa値・ηa値・一次エネルギー消費量を計算しなくてはいけなくなる。
この部分が、今回の改正によって大変になるところである。
これを計算するのが、一次エネルギー消費量算定プログラム(建築研究所のHPにある)。

これまでの事業主基準の算定プログラム(IBECのHPにある)を理解している人にはそれほどハードルは高くないが、そうでない人にとっては苦労する。
また、Q値・μ値を計算したことがない人にとっては、相当にハードルが高くなる。
他には、暖冷房の一次エネルギー消費量の評価(計算)において、パッシブ的な要素がかなり組み込まれている。
今回の改正のまとめ
改正省エネ基準は、従来通り建物の基本性能(断熱・日射遮蔽)を担保させながら、具体的に一次エネルギー消費量を計算させることによって、家庭生活由来の一次エネルギー消費量を減らしていこうとしている。
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今までの省エネ基準をよく知らなかった人にとっても、非常に分かりやすく解説していただいた野池先生の講義でした。
これを機に、省エネ基準の数字による評価だけでなく、何が省エネなのかを考えるべきだと思います。
パッシブというと新しいもののようですが、伝統的な民家は庇や長い軒によって日射遮蔽や取得をコントロールしていました。

また、自然素材を活かすつくり方をすることによって、エアコンがない家・エアコンにあまり頼らなくてもいい家にすることができます。
それは数字で評価しにくい快適性なのですが、住み心地という温熱環境にとっては、この部分もとても重要だと思います。
最終的には設計者の目指す方向による違いもありますが、いずれにしても地域に合った省エネな家づくりとは?を見直してみましょう。

 

緑の列島木の家スクール富山事務局 草野鉄男


2013年2月8日

緑の列島 木の家スクール富山2012 外部研修 構造要素実験

今回は、外部研修に行ってまいりました。
場所は、金沢工業大学やつかほリサーチキャンパス内にある地域防災環境科学研究所です。講師は、同大学の教授である後藤正美先生。
外部研修は、実験の見学および後藤先生の講義を聞くという内容です。
緑の列島ネットワークが事務局としてお手伝いさせていただいている「伝統的工法の設計法作成及び性能検証実験検討委員会」の実験もここで行われています。
今年も、その実験の一部を見学させていただくことになりました。今回見学させていただく実験は、背の高い土壁の面内せん断実験です。
まずは、後藤先生から実験の説明。

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上記の委員会で、以前から土壁の実験はたくさん行われてきたが、今回の実験は一般的な高さの壁でなく背の高い壁。
一般的な耐力壁実験の高さは2700mmですが、この実験の壁高さは4045mmというとても高い壁です。
これだけ壁の高さが高くなると、耐力は強くなるのか弱くなるのか?
実験を開始する前に、場所を移動して後藤先生の講義から。
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伝統木造は地震に弱いのか?・・・太古の時代から培われてきた木造技術と題して。
五重の塔から一般的な民家まで伝統的な木造建物の耐震性能について、また委員会の実験で分かってきたことなど、分かりやすく解説していただきました。
実験室に戻っていよいよ実験の開始です。
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土壁という耐力要素ですから、粘り強いということは皆さんご存知でしょうが、大きく傾く壁を見てそれを実感しておられたようです。
肝心の背が高いという点での結果は・・・、一般的な高さの壁と比べて少し耐力は下がるもののわずかな差であり、これだけ高くなってもほぼ同じと言って良いという結果となりました。
背が高いぶん傾く量も多くなりますので、最終的には試験機がこれ以上押せなくなるまで傾いて実験終了。
土壁が割れながら力を吸収し、木と木(柱と横架材・柱と貫)がめりこみながら粘っている様子がよく分かった実験でした。
実験を見学することによって、耐力要素のどこがどうなるかを観察し、設計に役立てていただければと思います。

木の家スクール富山では、昨年度までは全講義を受講しないと外部研修に参加できなかったのですが、今年度からは外部研修のみの受講も可能としました。
こういう実験を見学されたい方は、ぜひどうぞ。
では、来年の外部研修(実験見学)をお楽しみに!

緑の列島木の家スクール富山事務局 草野鉄男


2013年2月1日

木の家スクール 名古屋2012 第7回:12/1(土)

10周年記念 特別公開講座

 

木の新しい可能性

 

講師:伊東 豊雄 氏

 

本年度の最終回となる第7回木の家スクールは、10周年記念公開講座ということで建築家の伊東豊雄さんをお招きしました。

 

木の建築をテーマにしながら講演をされるのは初めてということで、大変貴重な機会となりました。まず、木質構造による大空間「大館ドーム」における構造と環境形成の試み、木や緑化をテーマとしたTOD’Sビル、GRIN GRIN、瞑想の森などの作品を紹介いただきました。また、木の建築として現在進行中の「みんなの森 ぎふメディアコスモス」についてもお話しをいただきました。メディアコスモスの屋根は薄い木の板を積層させて波打つ形状つくり、内部の大空間にはグローブと呼ばれる傘状の覆いを中心に書架などが渦を巻く構成となっています。渦や波をメタフォアとしながら、自然の光や空気、人の流れを喚起し、自然エネルギーを活かした心地よい空間を提案しています。

 

また、かつての日本の農村や民家に、まちや建築の未来モデルはあるというお話しにも共感しました。「みんなのいえ」は、囲炉裏端でのおしゃべりを豊かにデザインすることを目指したものであり、それが共感されベネチアビエンナーレの金獅子賞にもつながりました。

伊東さんが311以降、心掛けていることがあるそうです。

・人の批判をしない。

・小さなことでもその日から出来ることをはじめる。

・個を越える。

これまでいろいろなことを社会や政治のせいにして、でもエゴは貫こうとしていた。それをやめようと思うとのこと。そんな思いではじめた『みんなのいえ』が、広がっています。素直な気持ちで気持ちよく過ごせる社会、建築を創ってゆきたいものです。

 

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(文責:宇野)