2007年8月11日

8/11 近くの山の樹を手に入れること(受講生投稿記事)

 今回のお話は、私にとって大変おもしろく、深く掘り下げて欲しいものと感じました。

 杉材の梁桁を使って頂くのに、もっと楽でもいいはずなのに、困難になってしまった不思議さを感じていました。いみじくも、戸塚様のお話あったように、製材の挽き方がめちゃくちゃだ、と言うのは私も感じています。おそらく注文挽きなので、挽きたい梁寸に合わせて丸太を買ってきて製材するのですが、実際に挽き始めたら思い通りに挽けなかった、注文に合わせて無理矢理取ってしまう、という姿を想像します。 正道では、丸太に合わせて製材寸法を決めていくわけで、体積だけ埋めればいいと言う、現状の残念な姿が見え隠れします。

 余分に挽いてもいつ出るか判らないし、割れたり曲がったりしては、製品がゴミになってしまいます。その点、今回の正角材、背割り材の梁桁は、保管しておけるし、断面寸法種類の少なさは、使い回しの便が良く、すばらしい発想だと思いました。これの規格化に期待致します。

 梁寸が構造に与える影響を考える時、野物(丸太)をつかうごとく、大きければOK というラフな発想が通じればいいと思います。構造設計は、在庫にある寸法で設計してもらえれば、山元の製材は安心して挽いて置いてくれるでしょう。

 山からは、大きくなった材を出す。製材はその材を見てベストの材寸に挽く。構造設計はそこにある材を見て設計すれば、回っていけそうに思います。昔の挽いたり、距離的な融通に乏しかった時代は、そこにあるもので間に合わせて使っていたでしょう。

 近くの山の材を使いたいという共通目的の為に、それぞれが歩み寄っていくことを模索したいと思います。

 私の立場では、このテーマでのさまざまな意見交換が、これから取り上げられることを期待致します。

nagasaka

 


2007年7月15日

7/14 山辺豊彦氏 (渡り腮構法の構造)動画あり!!NEW!!

山辺1渡り腮構法の構造的特性

梁を通すことによる連続梁の効果で、初期変形を小さく抑えて、クリープ変形を少なくする。渡り腮部分の鉛直荷重の支持能力が高いこと。などの軸組についてのことや壁の配置の大切さ、また、実験住宅による検証などについて話された。

また、6/20の建築基準法の改正点について解説をしていただいた。



講義の様子の動画です

動画1

動画2


7/14 丹呉明恭氏 (渡りアゴ構法) 

丹呉明泰2渡り腮構法の住宅の設計と構造

木構造の基本的な考え方から丹呉明泰氏が大工塾を主宰する中から実験と大工さんとの実践の中で学んだ構法を講義

多くの大工さんのアイデアに裏打ちされた木造伝統工法のひとつとして紹介された 

 

 

 

 

 

 

 

 

丹呉明泰3伝統型の構法を選択して技術を残す

 

(耐力壁をバランスよく配置する)

 

 

 

 

 

 

 

 

日本の住宅の実態をグラフにすることにより、わかりやすく解説をしていただいた。例えば、今の日本の住宅は、石膏ボードのゴミをため込んでいることを生産量と建築年代の住宅着工戸数から判断し、処分場の許可数などのなぞを分析された。


2007年6月19日

コラボレーションの可能性

運営委員の宇野です。

宮内氏の講演の内容をうかがって、研究者、設計者とのコラボレートというスタンスにこれからの可能性を感じました。川上から川下という縦糸に職人・工務店・研究者・設計者という横糸が編みこまれていくことで、ゆるぎない力が生まれてゆくように思います。

宮内氏の言う「それおかしいやろ」は近山のフィールドには山積しており、このブログも含めいろいろな問題を「言葉」にし、様々なアプローチで解決に導き、発信していけたらと思います。

両氏のお話は大変貴重であったと思います。継ぎ手・仕口の手法についても、研究データにしても口伝にとどまらず、口伝書の形で残し、発信したいところですね。

 また、今回のスクールでははじめてお目にかかる方も多くいらっしゃいました。この分野に入りはじめたある方は、大変興味深く、新鮮であったが、わからないこともいろいろあり、今後のスクールでの勉強を楽しみにしているといった感想を述べておられました。

このブログが、入門者や若手にとっても気軽に意見や質問を書き込むことができて、それを皆さんでフォローして行ける場になるといいなあと思います。ぜひ、疑問に思ったことや感じたことを気軽に書き込んでいただけたらと思います。


2007年6月18日

6/16 宮内寿和氏 講義

宮内氏

 

 

 

 

 

 

 

宮内建築 代表の宮内寿和氏に 「大工と研究者のコラボレートー新しい家づくりをめざして」というテーマで講演をいただきました。滋賀県の木でつくることに重点を置き、独自に水中乾燥の実験をしながら、宮内式込栓の発案や若齢木の活用による軸組の工夫への取り組みなど多才な事案について紹介され、受講者は刺激を受けました。

独自の工法について説明