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2008年8月27日

2008/08/23 山辺豊彦氏 木構造 講義 (近山スクール 名古屋) 

山辺氏 1今年も山辺氏の講座が開催されました

昨年の建築基準法改正に伴う適判での構造審査の現状を聞くことができ、厳しすぎる現状について改善されることが望まれております。また、適判員の個々の勝手な判断や興味で、一層複雑化している適判の現状も知ることができました。

また、JAS規格しか通用しないような、建築基準法で審査が進むようなことがあれば、地域でがんばっているまともな材木を丁寧に生産している林業者を窮地に追い込むようなことがおこりつつあることを述べられ、なんとか、そういう方向へ導こうとしている、頭の固い役人学者を実際の実験をすることで、その方向に行かないように闘っていただいてる様子もお話されました。

 

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 教室は、手元でも詳しく画面が見えるようにモニターがすべての机に設置されております

 

 

 

 

 

 

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地盤調査において、業者に判断を頼るのではなく、設計者が判断する方法の説明の仕方を学びました

 

 

 

 

 

 

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コンクリートの寿命についても、水セメント比の大切さを説明されました

 

 

 

 

 

次回は、11月ですが、受講生の具体的な例について、募集して、その構造における問題点を山辺氏が答えていくという、実例を課題にした講座を開催します。

(文 大江忍)


2008/7/19 近山スクール名古屋一般公開講座 報告 (講演ー赤堀楠雄氏)

名古屋工業大学講堂に約80名の参加者にて、赤堀楠雄氏による一般公開講座が盛況に開催されました。

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赤堀氏からは、日本各地での森林の状況が報告されました。

東北地方で、電気も水道も無いところで、環境を考えて暮してみえる大工さん、設計士さんのご夫婦のお話や、地域木材工夫して独自の商品開発をしている製材所のお話、現在の山の流通についてなど、様々な現在の状況を聞くことができました

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会場では、受講生以外の一般の方も多く参加され、森林への国民の関心の高さがうかがえました

(文 大江忍)


2008年7月10日

2008/6/28近山スクール名古屋 2008 第二回 フィールドワーク

第2回 近山スクール 『左官の仕事現場の見学』   講師:松木憲司 氏

第二回目の近山スクールは、三重県菰野町で施工が進められている木造建物の建築現場が会場です。木組みの骨組みに竹小舞荒壁をつけ、漆喰などの左官壁で仕上げる伝統型構法の現場で左官の話をお聴きしました。
第二回 フィールドワーク
講師の松木憲司さんは45歳の左官職人です。33歳で全国左官技能競技大会で優勝したほどの腕の持ち主です。また、この建物の設計者である山田達也さんと、棟梁の増田拓史さんにもお出でいただきました。

はじめに、お話を伺う前に現場内を見学しました。
まず気がついたことは、合成樹脂系の匂いがいっさいしないということ。全体が木と土の匂いで包まれており、また、広い縁側が庭に向かって開け、大変心地よい空間です。
現場はいま大工工事がほぼ終わったところで、これから左官の仕上げが始まろうという状況です。壁は荒壁の上に毛伏せをして中塗りがされているところと、一部の大壁部分は木摺板に尺トンボを伏せ込んで下塗りをした状態です。
左官の松木さん「木の家には新建材は似合いませんね。ですからプラスターボードはできるだけ使いたくありません。」と言われる松木さんは、目に見える表面の仕上げだけでなく、その下地も土に還るものでつくりたいとの考えから、ラスボードは使わずに、杉の木摺板を大工さんに打ち付けてもらうようにしているのだそうです。

現場内を一通り見た後、これまで松木さんが手掛けられた左官仕事の数々をスクリーンに映し出しながら紹介していただきました。

顔が映りそうなほど磨き込まれた『大津磨き』の外壁や、なまこ壁洒落た幾何学パターンの『なまこ壁』。
石とオリーブ石鹸を使って磨くことで水回りにも使えるモロッコの左官磨きの『洗面化粧台』。
ぽってりとふくよかな丸みのある形が美しい『竃』。
感覚的な判断が優先する職人仕事を、松木さんは“何故こうするのか”と言った理屈も交えて、わかりやすく説明していただけるところに、新しい職人像を感じつつ、左官の魅力にどんどん引き込まれていきます。
どれを見ても、伝統技術に裏打ちされた本物の魅力と質感がスクリーンからにじみ出るように伝わってきます。けして古くささを感じさせず、むしろとてもモダンにすら見えます。永い永い時間をかけて培われて来た職人仕事は、人の手による温もりの有る魅力と飽きのこない美しさに満ちていることに改めて感心いたしました。
磨きの洗面化粧台いまや、日本の家づくりは『工期短縮』や『コストダウン』を優先するが為に、新建材によって表層だけを繕った薄っぺらなものになりつつあります。またそのことが、シックハウスなどの健康や環境の問題も多く引き起こし、本来、安全で快適な住環境をつくるはずが、全く逆になってしまっています。
今回、改めて左官の魅力に触れ、日本の職人の素晴らしいものづくりの文化を再認識いたしました。手間を惜しむばかりに、これらを排除しようとしていることが、いかに残念なことかとつくづく感じさせられます。

竃松木さんは、『左官技術を磨くこと』、『いい材料を探し求めること』、『伝統工法を時代にあったようにアレンジすること』、そして『後継者を育成すること』が自分の役割だと言われます。
なかなかマニュアル化されにくい職人技術は、徒弟制度のなかで伝承されてきました。しかし、それもいまの時代にはなじまず、今後が心配される中、松木さんのような新しい感覚の親方が、若い職人達を牽引して行ってくれることはとても頼もしいことですし、また、我々設計者などにとっても大変心強い家づくりのパートナーだと感じました。

最後に、子供達を対象に開いたワークショップの写真を見せていただきました。
木の廃材でつくった下地に土を塗ってつくる象の滑り台や、色鮮やかに光る泥団子づくりなど。「子供達にもっと土に触れてほしい!」という松木さんの純粋な思いから、幼稚園や小中学校などで活動されています。

子供達にはあまり難しいことを話したりはせず、土のグニュ、グチャといった感覚を体感したり、ものづくりの楽しさを味わってもらうことで、安全で心地よいものを嗅ぎ分ける感性を育んでほしい。
「将来、木と土の家づくりに繋がればいい」と言われた、松木さんの最後の言葉がとても印象的でした。 
     運営委員   丹羽 明人


2008年6月6日

2008/5/31 近山スクール名古屋 2008 第一回講義 

 近山名古屋2008 NO1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今年もいよいよスタートした近山スクール名古屋2008です

タイムリーな話題である建築基準法の改正のお話など興味深い講義でした 

第一講義 古川保氏「住宅を科学する 伝統建築こそ長寿命住宅」

第二講義 戸澤光弘氏「建築基準法改正と木造住宅のこれから」

詳細については、グッドニュースジャパンが取材してくれて、ブログになりましたのでそちらへリンクしますので、ぜひ、見てください

http://goodnews-japan.net/news/blog/2008/06/03/2914

 


2008年4月10日

2008/4/10 近山スクール名古屋 受講生募集中!

近くの山の木で家をつくるスクール 名古屋 2008       受講申し込み案内

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「近くの山の木で家をつくるスクール名古屋」(略称:近山スクール名古屋)は6年目を迎え、今年度も各界でご活躍されている皆様に講師をお願いいたしました。第3回の一般公開講座では日本の森林ルポを長年にわたって続けてきた赤堀氏を迎えます。左官の仕事現場と森林伐採などフィールドワークを充実しました。木構法については文化財、構造設計、デザイン、法律などの観点から講義をいただきます。

主催:名古屋工業大学  「木の文化研究フォーラム」
共催:「NPO法人  緑の列島ネットワーク」
    URL : http : //www.green-arch.or.jp

募集期間:4月10日から受付開始(お早めに申し込み下さい)

■ 定員50名(申込先着順)
■ 申込方法 :
  Wordによる申込用紙に必要事項を記入の上、E-mailにデータを添付して送信下さい。
  申込フォームはNPO緑の列島ネットワークのホームページよりダウンロードできます。
  所定の用紙に必要事項を記入の上FAXにてお申し込みいただくこともできます。
■申込フォーム http://204.202.9.21/~gree8679/green-arch.or.jp/school.html
■ 申し込み先・問い合わせ: fujioka@nitech.ac.jp  FAX:052-735-5182 (担当:藤岡)
■ 運営事務局:〒466-8555名古屋市昭和区御器所町

名古屋工業大学内 近山スクール名古屋事務局 藤岡

 

専門家向け講座(第1回〜第7回)
■受講対象:木造住宅の設計、施工、林業などに携わる(あるいは志す)方
■受講料(資料代含む)
    :25,000円
 受講料は初回受講時に受付にて徴収させていただきます。
■受講申し込みを行って下さい。
※欠席された場合は,資料のみ,後日送付させていただきます。

一般公開講座(第3回・第5回)
■受講料(資料代)
 一般1000円、学生500円
 当日受付にてお支払い下さい。
■事前の申し込みは不要です。

■現地集合、現地解散とします。講義終了時刻は多少前後することがあります。
■名古屋工業大学はJR中央線
    鶴舞駅 下車 徒歩約8分です。
■第2回,第6回のフィールドワークの集合時間・集合場所等詳細については別途連絡させていただきます。

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