2009年3月9日

3/15 第2回公開フォーラム 伝統構法を検証する時代が始まった

これから木造住宅を考える連絡会(これ木連)
第2回公開フォーラム

伝統構法を検証する時代が始まった
伝統構法の家が「つくれない!」から「つくるために」へ~

東京初の伝統的木造軸組構法の実物大住宅性能検証振動台実験報告会!

■日時 
3月15日(日)13:30-17:00(開場13:00)
■会場 
工学院大学 アーバンテックホール
新宿駅徒歩5分、都庁前駅徒歩3分 東京都新宿区西新宿1-24-2
http://www.kogakuin.ac.jp/map/shinjuku/index.html

■内容
◆講演「土壁の家への挑戦」中島健一郎氏
(顔写真)
毎日新聞警視庁キャップ、ワシントン支局長、社会部長、事業担当常務を経て2006年に退任。現在千葉県にて土壁の家づくりに挑戦しており、その様子を月刊「さかん」に連載中。

◆実験報告「伝統的木造軸組構法の実物大住宅性能検証振動台実験で見えてきたこと」大橋好光氏
(顔写真)
武蔵工業大学工学部建築学科教授。国土交通省伝統的構法の設計法及び性能検証実験実施委員会主査。伝統木造を建築基準法に位置づけるための性能確認、設計法構築における中心的な存在。

◆質疑応答
※司会進行 松井郁夫氏(松井郁夫建築設計事務所)
懇親会(17時頃から別会場にて、別途参加費4000円程度)

■フォーラム参加費 
2,000円

■定員 
200名(要事前申込、3/5締切、定員になり次第申込受付終了)

■主催 これからの木造住宅を考える連絡会(略称:これ木連)
財団法人住宅産業研修財団 優良工務店の会/職人がつくる木の家ネット/NPO伝統木構造の会/有限責任中間法人 日本曳家協会/NPO日本民家再生リサイクル協会/NPO緑の列島ネットワーク

■問合せ 
これ木連事務局
担当:金井(日本民家再生リサイクル協会) 
tel:03-5216-3541 携帯:090-7735-1460 メール:info@minka.jp

http://kino-ie.net/koremokuren/これまで伝統構法による木造建築は「建築基準法」に明確な位置づけがなかったため、特性の異なる現代工法向けにつくられている基準に無理やりあてはめる以外ありませんでした。2007年6月、耐震偽装問題の反省から基準法の運用をより厳格にした「改正建築基準法」が施行されると、もともと基準法に位置づけしにくい伝統木造建築はさらに建てにくい状況となり、「石場立て」など、もっとも伝統構法らしい木造建築が実質的には「つくれなくなる」ほどの窮地に追い込まれました。

「このままでは日本に受け継がれてきた木の建築文化や職人技術が失われてしまう!」と危機感をもった木造建築関係者ら6団体で立ち上げたのが「これからの木造住宅を考える連絡会(これ木連)」です。伝統木造建築をあたりまえにつくることのできる未来を切り拓くべく、2007年秋から国交省木造住宅振興室と勉強会を開始しました。国交省も「伝統木造を建築基準法に正当に位置づける方向で臨み、そのために性能検証実験や設計法構築を推し進める」との前向きな姿勢を示されました。実際に平成20年度から、国交省において伝統構法の再検証事業(伝統的構法の設計法及び性能検証実験)が3カ年計画で動きはじめたところです。

再検証事業初年度のハイライトは、2008年11月~12月、兵庫県のE-ディフェンスで行われた伝統的木造軸組構法の実物大住宅性能検証振動台実験です。実物大の木組み&土壁の伝統木造住宅を振動台にのせて加振し、建物がどのように挙動するかを観察し、性能検証、設計法構築に向けて必要なデータが記録されました。振動台に載せる建物の設計、加振後の損傷観察など、さまざまな場面でこれ木連メンバーをはじめとする多くの実務者が関わりました。

そこでこの度、これ木連では、昨年の第1回フォーラム「このままでは伝統構法の家がつくれなくなる!」に続く第2回フォーラムとして「伝統構法を検証する時代が始まった!」を企画しました。その中で、今回の実験の実施委員会主査である大橋好光先生をお招きして実験報告をしていただきます。さまざまな観察視点からの実験映像などを見ながら、伝統木造をどう未来につなげていくかを展望します。関東での実験報告は初となります。この貴重な機会を、どうぞお見逃しなく!

また、大橋先生の報告に先立ち、伝統構法の必要性を実感し実際にご自身で土壁の家造りに挑戦されているジャーナリストの中島健一郎さんの講演を予定しています。住まい手&ジャーナリストの視点で伝統構法のおかれている現状と未来を語っていただきます。奮ってご参加ください。

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木造建築をめぐる状況とこれ木連のあゆみ

2007.6 改正基準法施行
2007.9 国交省との交渉を勉強会という形で開始、これ木連立ち上げ
2008.6 これ木連主催 第1回フォーラム「このままでは伝統構法の家がつくれない!」(於/工学院大学)
2008.11-12 E-ディフェンスでの伝統的木造軸組構法の実物大住宅性能検証振動台実験
2009.2.28 これ木連主催 「伝統構法を考える研究会」第1回 (講師:河合直人氏)
2009.3.15これ木連主催 第2回フォーラム「伝統構法を検証する時代がはじまった!」(於/工学院大学)

※これまでの活動の詳細はこちらで! http://kino-ie.net/action/


2009年2月18日

これ木連「伝統構法」に関する連続勉強会

民家にみられる力強い骨太の木材、職人技術による各部の接合法など、伝統構法
による建築は「総持ち」による架構といわれています。
この「総持ち」という考え方をどのようにとらえることができるのか。伝統的構
法について先進的な実験を通して、木造構法の新たな論理の再構築を試みている
河合直人氏の視点から伝統構法を考えます。

【日時】2月28日(土)13:30-16:30(開場13:00)
【会場】千代田区万世橋区民会館 6階洋室
    秋葉原駅徒歩2分 東京都千代田区外神田1-1-11
    http://www.city.chiyoda.tokyo.jp/service/00065/d0006589.html
【講師】河合直人氏
    独立行政法人建築研究所 構造研究グループ 上席研究員
    司会進行 宮越喜彦氏(木住研)
【内容】伝統構法のとらえ方、実大実験の中間報告など
【参加費】2,000円
【定員】70名(申込順、定員になり次第締切)
【申込】日本民家再生リサイクル協会(info@minka.jp、ファクス03-5216-3542)
    宛、参加者1名ごとに、氏名、所属、電話、ファクス、メールアドレス
    を明記のうえ、2月23日(月)までにお申し込みください。
【連絡先】日本民家再生リサイクル協会 担当:金井
    電話03-5216-3541 携帯090-7735-1460

※今後の予定
3月 公開フォーラム
4月 住宅瑕疵担保履行法について
以下、毎月開催予定。

以上、よろしくお願いいたします。

これからの木造住宅を考える連絡会(これ木連)事務局
■□日本の民家を次代に引き継ぐ□■
特定非営利活動法人
日本民家再生リサイクル協会(JMRA)
事務局 金井 透
kanai@minka.jp http://www.minka.jp/
電話03-5216-3541 FAX03-5216-3542
〒102-0085東京都千代田区六番町1-1


2008年12月10日

2008/12/04 実大実験A棟の記者発表レポート

12/4、E-ディフェンスで行われた「伝統木造住宅A棟」の公開実験終了後、
午後2時から、実験担当者による、
結果の概要を伝える記者発表がありました。
引き続く質疑応答の中で、大事なやり取りがいくつか見られました。
居合わせた方々は少ない、と思いますので、
今後の展望につながると判断した、次の2項目の概要を、
お伝えしましょう。
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■柱脚の扱いについて
○質問:
今後3年の間につくる、とされている設計法の中で、
柱脚の扱いはどうなるか?
今回の実験のような、「横方向の移動を拘束」する、
あるいは、現行の仕様規定にある「固定」が条件になると、
伝統構法では一般的だった「直置き」が出来なくなってしまう、
という縛りをかけることにはならないか?
○実験実施委員会主査の回答
いずれは、「直置きが可能な設計法」が生まれる時代が来る、
と認識している。
けれども現況は、柱脚の動きを予測し制御しうる段階にはない。
まずは、柱脚の動きを拘束することを前提にした設計法をつくりたい。
別のプロジェクトで、柱脚の条件に関する解明も考えられているので、
可能なら、柱脚の動きを許容する設計法にも取り組んではみたい。
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●設計法の枠組みについて
○質問:
現代構法の枠組みの中に、伝統構法を位置づけるのでなく、
伝統構法独自の設計体系を期待したいが?
○木造住宅振興室長の回答:
伝統構法を正面から取り上げて、
科学的に解明する時代にようやくなった、と受け止めている。
まずは、
これからは、「伝統構法の枠の中に現代構法が入ってくる」、と考えたい。
次に、
伝統構法は「地域分散型」として捉えたい。
共通項は、国のレベルで明らかにして、
地域に関わるところは、国で支援して明らかに出来る、ようにしていきたい。
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実際のやり取りは、もっと入り組んでいましたが、
要点のみを抜き出せば、上記のようになる、と思います。
上記の2項目のやり取りについて、
皆さまは、どのように受け止められるでしょうか?
ところで、現室長がいつまで現職に留まるか、
また、この基本方針が、人が変わっても受け継がれるのかは、
大いに気になるところです。
支えになるのは、直接働きかける世論の力でしょう。
現場の皆さまの踏ん張りが、死命を制します。
A棟 実験調査
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ともあれ、国の法規定を変えようとする、ビッグプロジェクトの実験に、
職人や技術者などの実務者が、研究者とともに、
企画の段階から参画して、実験そのものの実施にまで、
多数が関わるのは、史上初めてで、画期的な取り組みです。
日本の建築構造に関わる歴史で、画期の1頁になるに違いない、
と確信します。
参画された方々、協力された方々に、改めて敬意を表します。
そして、目を凝らして見学された方々も含めて、
ほんとうにお疲れさまでした。
いよいよこれからが、本番です。
(レポート 緑の列島ネットワーク 相談役 鈴木有)


2008年12月9日

2008/11/27~28 実大実験講評 B棟

B棟の実験を終えて
調査 B棟
『伝統木造構法の建物は、
 (1)あたかも生き物であるかの如く振る舞う、
 (2)地震の破壊力に対して、耐えるのではなく、
  もっぱらやり過ごそうとして、揺れかつ動く』
以下に、その基になる理解を記します。
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●やり過ごすのに、三通りの有効な仕組みがある
・剛い土壁を、大揺れに追随しうるように壊す。
・構面毎に、階毎に、異なる揺れ方をして、揺れの成長を抑える。
・大揺れの前に、地盤とは縁切りしようと振る舞う。
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●剛い土壁を、大揺れに追随しうるように壊す
開口部を含む土壁架構の静加力実験や振動実験を、
自ら行った経験から、
伝統的架構では、まずは大きな土壁が壊れ、次いで中規模が、
最後に小さなものが壊れる、と予測していました。
今回は、前日の大地震相当の加振で、1間幅が壊れており、
第1回目の神戸波加振で、半間幅が壊れ、
さらに、2階の幅広腰壁が壊れており、
原則、予想通りだったように見えました。
土壁の壊れ方は、塗り厚の薄いところで亀裂を生じ、
元の大きな塗り土パネルを小分割して、
これらを囲む木造軸組のせん断変形に追随する。
これも、これまでの実験通りでした。
今回は、縦貫と横貫の所で、大きな亀裂が入り、
縦横ともに複数の小パネルに分かれて、
外側から見る限り、何と!、大きな崩落をせずに、終わりました。
(裏側がどうなったかで、判断は多少変わりますが・・・)
耐力実験の経験からすると、こうした破損後の土壁でも、
半分程度の支持力を残しています。
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●構面毎に、階毎に、異なる揺れ方をして、揺れの成長を抑える
平面で言えば、複数の構面(主要な柱通り)で、
揺れの向きが異なるように見えました。
一般に言う「ねじれ」とは、全体が同じ方向に回転する挙動を指しますが、
この建物の揺れ方は、例えるなら、「旗がゆらめく」ように揺れています。
前日の一方向加振でも、揺らせている直角の方向に、建物が揺れ、
同じような挙動が見られた、と聞いています。
上下方向の揺れを見ても、1,2階が異なる向きに動くさまが、
しばしば見て取れたように思います。
これらの性状は、専門用語で言う、高次の振動モード(しかも立体的な)
になっていることを意味します。
1次モードが卓越すると、建物は全体が一方向に大揺れすることになって、
自重を支え切れなくなる倒壊を引き起こす危険が増しますが、
高次モードを誘発することによって、その危険を抑制しているのでは、
と推察しました。
振動モードの誘発は、
作用する地震動の周期特性と建物の周期特性の相互関係で変わります。
仮に、この地震動で高次モードが誘発されていたとしても、
他の激震でもそうであるか、の保証はありません。
(最後の項目も参照して下さい。)
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●大揺れの前に、地盤とは縁切りしようと振る舞う
今回は、水平の滑りを抑えるように、足元の工法が取られていますので、
上部架構はもっぱら、浮き上がることで、地面と縁を切り、
過大な地震力の直接作用を防ごう、と努めているように見えました。
あれだけの規模と重さを持つ建物ですから、
揺れの性状としては、「ロッキング」(片方が交互に浮き上がる)が生じ、
長手方向の端部近傍で、アンカーで繋ぎ止められた限度一杯まで、
柱脚の浮き上がりが生じておりました。
仮に、横方向の滑りも許したら、
土壁や軸組の損傷は、遙かに抑えられたであろう。
これまでの振動実験を観てきた、私の予測です。
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●揺れが終わると、建物は正立していた
二度の加振後ともに、建物はほぼ正立していました。
部材や壁に、あれだけの損壊が生じたのに、
残留変形は微少だった由です。
震害調査の経験でも、実大実験の結果でも、
伝統木造架構は、接合部の仕口・継手の機能が保持されておれば、
架構は元の状態にほぼ戻っておりました。
接合部の粘りある(靱性的な)復元力が、
架構を元に戻す原動力になっている、と読み解いています。
今回も、仕口付近での柱の折損が伝えられましたが、
仕口としての復元力機能は、なお保持されていたのではないでしょうか。
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●「建物はどのように振る舞えば凌げるか」を、構造体が記憶する
非公開だった二度目の神戸波加振では、
損傷の進行は少なかったように見えました。
少なくとも土壁については、
大量崩落など、さらに大きな損壊があったとは思えませんでした。
しかも揺れ方は、第1回目の特に後半の揺れ方に酷似している、
ように見えました。
私の理解は、一度目の大加振で、前述したような損壊を生じて、
揺れを凌ぎやすい構造体に変わった。
ましてや、前回と同じ揺れなら、同じように凌げばよいから、
さらなる損壊の進行が抑えられた、と解釈しています。
それならば、
『最初から凌げるような構造体を造れないか?』、
については、追って見解を記したい、と考えています。
ちなみに、E-ディフェンス最初の木造公開実験になった、
現代軸組構法住宅では、神戸波の破壊力を超える最強の地震、
JR鷹取波(震度7相当)が三度加えられましたが、
大事な1階の構造要素、面壁と筋かい入り軸組が次々に破壊され、
1階が倒壊して圧壊するに至っています。
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●実大振動実験は学びの宝庫である
従前、職人や技術者は地震被害を目にすることは稀でした。
たまさか観られても、それは損壊を受けた結果だけです。
因果関係の理解は、ほんとうに難しい課題だった、と思います。
けれどもわれわれは、実大の振動実験という手段を手にしました。
今回は特に、間近に観て、
損傷状況まで実地に観察しうる機会までができました。
得難い機会を活かして、施工や設計のプロたちが、
しっかり学んでいただきたい、と期待しています。
細部の観察と洞察にこだわり、
「どこがどう壊れたのか、それは何故か、
 その損壊は受け入れるべきか、
 あるいは、避けるようにするべきか、
 避けるにはどうすれば良いか」等々を、学び取り、
普遍化してほしい、と希望します。
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●神戸波は直下型地震による一観測点の記録に過ぎない
加振に使われた神戸波は、直下型地震の一つで、
最激震地からは少し離れた、山の手の地点での観測記録、
「震度6強」相当です。
強烈な揺れの時間は、僅かに十数秒、
そこを凌げば、後の揺れは普通の地震並みです。
地震には様々な顔があり、土地による揺れ方もさまざまです。
今回の結果は、学びは実に多いのですが、一つの検証に過ぎません。
伝統構法による木造建物で言えば、
長周期の揺れの成分を多く含み、継続時間が長い海洋型の巨大地震で、
強い揺れに襲われたとき、が心配です。
自然の営みは、奥が深い。
自然の猛威には、謙虚に向き合い、
家づくりには、多重なる備えをするべきでしょう。
(レポート 緑の列島ネットワーク 相談役 鈴木有)


2008年10月23日

未乾燥木材の割れ「欠陥ではない」・・勝訴

未乾燥木材の割れ「欠陥ではない」・・・・・・
と東京高等裁判所が勝訴「判決」。
詳しく「ケンプラッツ」ネットニュースに掲載されました。
「NPO緑の列島ネットワーク」監事、「匠総合法律事務所」秋野弁護士が
勝訴の判決内容をセミナーで公開しました。

内容の1部
「木が割れるのは一般的に見て当たり前のことなのに、訴えが構造部分に
関わっていたため、二審判決までに4年もの時間がかかった」。セミナー主催者である

匠総合法律事務所代表の秋野卓生弁護士は、そう話した。同法律事務所が弁護に
当たった木材業者は、和解でなら多少の負担には応じる用意があったものの、
住宅会社側が譲らなかったという。

詳細
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20081017/527180/

詳細