2018年08月15日

木の家スクール名古屋2018 第2回:7月21日(土)②

土に学ぶ暮らし ~コミュニティたんぼのつくりかた~

講師:菊地 晃生 氏 (ファームガーデンたそがれ 主宰)

「設計の実務をしている方に、田んぼで米作りをしている私が何を伝えれば役に立つのか?ですが、今までやってきた事を紹介して、何らかのヒントになれば!」と、お話が始まりました。

「16年前に豊橋技大で都市計画、地域計画の研究室にいた頃に藤岡先生にお目にかかり、名工大の博士課程で藤岡研究室のお世話になり、自分は何がしたいか?自分は何が出来るか?を自問自答する時間となりました。」

「建築のデザインや設計に関心があり、伊東豊雄さんの処でコンペを手伝ったりしましたが、一本の線を引くのが怖く、図面上で物事を決める事が危険な行為と思え、物を作るより、木を植える事をしたいと気付き、15年前に帯広のランドスケープの会社に入社しました。」

「関わった仕事は、森を庭のように変えていき、野鳥の活動を町まで広がるようなプランニングとか、街を見渡す自然公園とか、計画は面白いのですが、自分の身体感覚とのギャップが有るなと感じていました。そんな折に、祖父の交通事故が有り、母と祖母だけで田んぼの世話は無理と判断し、実家に帰る事にしました。秋田のランドスケープは、森林と水田。田んぼを軸に、自分の出来ることをしようと、考えました」と、ここまでは講義の言葉を書き出しました。

此処から先は、農業従事者としての生き方に変わるのですが、農業従事者の人数が将来どの様に変化していくか?湖を干拓して農地を作った八郎潟は、農業従事者が減る将来は、またもとの八郎潟に戻すのだろうか?など、深い疑問を感じながらも、農業の楽しさを都会の人にも分かち合う仕組みを考え、実践を始めた様子のお話です。無農薬のお米づくりから始まった農業のようですが、最近は、一般の方も農業に参加できるシステムも始めた様子です。

「小さな農を営み、小さなコミューンを作る動きが活発になってきている。あらゆる地域に同じような感覚を持っている人がいる。その人達と関わりを持ち、大きなうねりにしていけないか、が今の僕の願いです」との言葉で講義は終わりました。この先が楽しみです。

是非、講義のビデオを借りて、農業従事者としての菊地さんの暮らしぶりを楽しんで下さい。

(文責:寺川千佳子)