2016年06月05日

木の家スクール名古屋2016 第1回:5/28(土)第一部

ヨーロッパの木造建築から『木と建築と社会』を考える

講師:網野 禎昭 氏(法政大学 教授)

「新しい木造の話をしますが、技術的な話はしません」と、講義が始まりました。

「1990年代末から、ヨーロッパでは大型木造で都市を造ろうという動きがある。
近年、日本でも、多層階木造や耐火木造建築が建てられるようになっている。が、
『何のために大型木造をつくるのか?』という問掛けが、日本では殆ど無い。」

「木造の一つの目的は、『持続的な社会を作ること』だと思う。しかし、木材や木造建築は持続可能でも、人間社会側は、人口問題、地域の社会問題、経済問題などが山積みで、持続性を失いかけているのではないだろうか。そこで、木造建築が持続可能な社会にどう貢献出来るかをヨーロッパから学んでほしい。」

このように話され、
TOPIC 1  コンパクトな集住による持続可能な社会
TOPIC 2  多層化を支える構造設計の自由
TOPIC 3  地域産業が活躍する仕組み
TOPIC 4  ローテクで社会に役立つ
ヨーロッパでの実践している建物の事例と、日本での取組みのお話を伺いました。

ヨーロッパの市庁舎を囲む広場などに、1階が石造でその上部に3~4階の木造が乗る建物が今も残っていますが、ビスと根気で建物を作る工夫と配慮が、現在のヨーロッパの地域産業に活かされている話や、木に特別な加工をせず、そのまま使う事が、人に仕事をつくり、森の再生に繋がる道だとのお話に、『木造で都市建築を造るメリット』が見えてきました。

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DSC_6929DSC_6944DSC_6963文責 寺川千佳子