2015年05月30日

木の家スクール名古屋2015 第1回:5/16(土) 第1部

尾道式空き家再生術

講師:豊田 雅子 氏(NPO法人尾道空き家再生プロジェクト代表理事)

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今年は75名もの皆さんから受講申し込みがありました。初回は56名の受講生とともに、木造ストックについて考える機会を得ました。

 

尾道に生まれ育った雅子さんは、若い頃は世界に憧れ、語学が好きで、バックパッカーで世界各地へ飛び出し、ついに大阪で海外旅行の添乗員の職に付き、旅だらけの20代を過ごしました。ヨーロッパの歴史や町並み、地産地消を大事にする暮らしぶり、地元の石や土を使った建物を修復し、大切に使い続ける姿に、「日本の町づくりはおかしいよね」と思い始めたそうです。

親の看護で再び尾道に戻る事になり、25年間空き家だった通称ガウディハウスを買取り、修理の状況を毎日ブログにUPすると、空き家を求める問い合せが殺到し、空き家再生の市民団体を立ち上げることになりました。

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それからの活動が凄まじい。尾道空き家会議、空き家再生法作戦会議、再生チャリティイベントなど、各種のイベントを毎月開き、地域の人達の理解を深めていきます。その勢いはとどまるところを知らず、建物探訪、再生現場見学など、各種企画に参加するよそ者、若者の新鮮な目線に、地元の人達が「自らの町の見え方が変わった」と、言うようになったそうです。

2009年からは尾道市からの依頼があり、『尾道空き家バンク』を立ち上げることになります。汲取り便所、石段、ムカデ、蛇、蚊など、路地裏の暮らしの大変さ、不便さを受け入れる人に定住を促進し、支援をする組織です。移住希望者は800人を超え、建物提供も150件。そのうち80件の契約が成立しています。若者の仕事、お金を稼ぐ仕組みをゼロからつくり上げる空き家再生プロジェクト事務局長は、『空き家は宝の山』と言い切る!

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事務局長豊田さんのお話を伺い、移住を考え始める受講生がいるに違いないと確信しました。

(文:寺川千佳子)