2013年02月01日

木の家スクール 名古屋2012 第7回:12/1(土)

10周年記念 特別公開講座

 

木の新しい可能性

 

講師:伊東 豊雄 氏

 

本年度の最終回となる第7回木の家スクールは、10周年記念公開講座ということで建築家の伊東豊雄さんをお招きしました。

 

木の建築をテーマにしながら講演をされるのは初めてということで、大変貴重な機会となりました。まず、木質構造による大空間「大館ドーム」における構造と環境形成の試み、木や緑化をテーマとしたTOD’Sビル、GRIN GRIN、瞑想の森などの作品を紹介いただきました。また、木の建築として現在進行中の「みんなの森 ぎふメディアコスモス」についてもお話しをいただきました。メディアコスモスの屋根は薄い木の板を積層させて波打つ形状つくり、内部の大空間にはグローブと呼ばれる傘状の覆いを中心に書架などが渦を巻く構成となっています。渦や波をメタフォアとしながら、自然の光や空気、人の流れを喚起し、自然エネルギーを活かした心地よい空間を提案しています。

 

また、かつての日本の農村や民家に、まちや建築の未来モデルはあるというお話しにも共感しました。「みんなのいえ」は、囲炉裏端でのおしゃべりを豊かにデザインすることを目指したものであり、それが共感されベネチアビエンナーレの金獅子賞にもつながりました。

伊東さんが311以降、心掛けていることがあるそうです。

・人の批判をしない。

・小さなことでもその日から出来ることをはじめる。

・個を越える。

これまでいろいろなことを社会や政治のせいにして、でもエゴは貫こうとしていた。それをやめようと思うとのこと。そんな思いではじめた『みんなのいえ』が、広がっています。素直な気持ちで気持ちよく過ごせる社会、建築を創ってゆきたいものです。

 

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(文責:宇野)