2012年12月21日

緑の列島 木の家スクール富山2012 第3回 木構造レベルアップ講座Ⅱ

緑の列島木の家スクール富山2012、第3回の講義を開催しました。
今回は、第2回と同じく木構造の講義で、木構造レベルアップ講座Ⅱ。
講師は、山辺構造設計事務所の山辺豊彦先生です。
山辺先生と言えば、先生が書かれた「ヤマベの木構造」ですよね。建築実務者の多くの方が、この本を知っておられるのではないでしょうか。
第2回の講義時に、次回は山辺先生の講義なので「ヤマベの木構造」を持っておられる方は持参して下さいと案内した際に、持っておられる方に手を挙げてもらいました。
その結果、40数名のうち約半分もの方が、この本を持っておられました。
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実務者が書いた実務者のための木構造の解説本ですので、分かりやすいと評判です。
また、何かを調べようと思ってこの本を見た時に資料やデータがすべて揃っている、つまりこの本1冊あれば分かるという点が特徴ですね。
この分かりやすい本をテキストにして、分かりやすく教えて下さいます。木構造の講義に全国あちこち飛び回っておられる山辺先生です。
この本が出版されるだいぶ以前の話ですが、富山ではスクールを開催した初年度から山辺先生に来て頂いていました。
ある年の講義の直後に私の所に山辺先生から電話があり、建築知識に木構造の連載を書くことになったんだけど、何から書いたら良いかねと相談がありました。
私は、意匠設計者は普段あまり構造のことを意識していないので、構造計算などする以前に力の流れ方が分からないと、理解できないのでは?と話をしました。
ということで、建築知識の連載やヤマベの木構造の最初の方には、力の流れが解説されています。
久しぶりに富山のスクールに来て頂いて、そんなことを思い出しておりました。
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今回の講義とは違う話で長くなりましたが、講義では木構造の一通りのことを講義していただきました。
ここでは、一つだけ。
一時四号特例廃止という話が出ておりましたが、今でも実施はされていません。
されていないにしても、設計者としては基準法のみのチェックではなく、+αの検討をするべきである。
基準法のみとは、仕様規定に基づいた設計および壁量の確保・壁配置のバランス・柱頭柱脚の接合方法を確認すること。
そして+αとは、横架材の断面設計・水平構面・地盤基礎まできちんと考えること。
山辺先生の分かりやすい講義に、受講生の皆さんは身を乗り出して聞いていらっしゃいました。
時間も30分延長して話をしていただいたのですが、終わった後でもっと聞きたかったという声が多かった今回の講義でした。

 

緑の列島木の家スクール富山事務局 草野鉄男