2016年10月27日

木の家スクール名古屋 第4回 9/10(土)第二部 楢崎達也氏

『地方創生における林業・木材産業~地方が採るべき戦略とは~』
講師:楢崎達也氏
(NPO法人農林業経営支援センター、大手住宅メーカーの林業コンサルタント部門所属)

毎年、山へはフィールドワークに行っている木の家スクールでしたが、
今年度は、座学にて、森林について、起こっていることを俯瞰的に学ぼうということで、
NPO法人の林業経営支援センター、
また大手住宅メーカーという立場で
林業コンサルタントとして各地域に関わっておられる楢崎さんをお招きしました。

冒頭、楢崎さんが地域に入られている十津川村での魚骨状間伐の様子
(奥山の森林資源を低コストに搬出・運搬する仕組みへのチャレンジ)など、
林業の現場の映像が流された後、森林資源と建築との距離や、
それは単に木を「木材」とひとくくりにするのではなく、
「立木、原木・素材、製材品、プレカット材」など流通で形態を変えていくという捉え方
(林業はそもそも6次産業)、
田舎のスパイラルダウンや地方がとっている戦略の誤りに
ついて日々現場で感じられている点について、ご紹介いただきました。

また、後半は、現在森林が抱えている最大の課題である、
「不在地主、山林の境界の不明化」について、
これまでご自身で作成された森林所有者であるおじいさんを
ターゲットにした啓発ビデオを見せていただきながら
(ここではご紹介しがたいですが、この中でのやりとりが、また面白い!)
お話をうかがいました。

林業の営業は大変難しいという面を笑いに変えて紹介いただきながら、
森林管理サービスの方向性について提言いただいたようにも思います。

山のフィールドワークで感じる点とは異なる山の現状に触れ、
これまでとはまた一味違う視点で山を考える機会となりました。
(文責:中川)

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