2010年07月04日

名古屋 第三回 木の家スクール報告 (一部 大嶋信道氏 二部 麓 和善氏)

自然素材の取り入れ方と、継承のしかた
大嶋信道氏
  (大嶋アトリエ代表、武蔵野美術大学講師)

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東大名誉教授の藤森照信氏と協働設計をされている大嶋氏。大学卒業後に、建設会社勤務を経て、東大・藤森研に所属された。当初は建築史について研究するつもりが、いつの間にやら藤森先生の建築家としての活動に協力することになったとのこと。
「ニラハウス」では、建主の赤瀬川氏とともに、山から栗の倒木を伐り出し、これを手ではつったり、チェーンソーで削るなどして、玄関の列柱をつくられたそうです。「ツバキ城」では、RC躯体の中に荒削りの栗の木でロフトをつくったプロセスをお話しいただき、持参いただいた赤瀬川氏が実際に削ったという「手すり棒(?)」の実物を見せていただいた。一本足のヒノキで空中に浮いている「茶室・徹」は、敷地内の桧の木を伐採してつくられたとのこと。ユニークな藤森建築がつくられる舞台裏の苦労と魅力を堪能させていただいた。
大嶋氏が設計された伊豆大島の民家では、既存の木材や建具やしつらえが、独自の図面表現で職人さんに伝えられている。地域性を活かした民家再生の実例をご紹介いただいた。

 

大嶋 イメージ トリミング

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロフィール:1960年鳥取県生まれ。武蔵野美術大学建築学科卒業。建設会社勤務を経て、1990〜94年 東京大学藤森研究室。1991年大嶋アトリエ設立。「倉吉の町屋」で鳥取県景観大賞。著書「建築虎の穴見聞録(新建築社)」「藤森流自然素材のつかいかた(共著)(彰国社)」

 

 

名古屋城宝暦大修理から学ぶ江戸時代の建築技術
麓 和善 氏
 (名古屋工業大学大学院 教授)

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名古屋城の本丸御殿復元では、特別史跡名古屋城跡全体整備検討委員会委員・建造物部会長を務められ、各地で講演をされております。
今回は、伊藤家(松坂屋創業家)に残っていた天守閣の宝暦の修理記録についての研究発表をしていただきました。
日本一大きな天守閣であった名古屋城の天主閣が傾き、建築完成後140年後に傾きを治すために、石垣を積み直すという壮大な事業を
当時の最新の技術が記録してあった図面の解説をしていただき、大工の技術の素晴らしさを改めて認識させていただくことができました。
参加者も興味をもって聴講できました。

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プロフィール:専門は、日本建築史・文化財保存修復。名古屋城・安土城・鳥取城・金沢城・犬山城・甲府城・織田信長居館(岐阜)・長浜城(沼津)・高山陣屋・名勝諸戸氏庭園・重文東山植物園温室・重文旧美歎水源地水道施設等、全国の文化財修復に委員として参画。