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7/12(土) 第四回 フォーラム in 滋賀 「石場建てを含む伝統的構法木造建物の設計法」報告会
事前アンケート結果:自由文

自由文回答の質問1:石場建てについてあなたが思うことを自由に書いてください。

回答をテーマ別に分類してみました。

伝統的な建築の大事な要素
  • 伝統工法の優れた特長を生かすもの
  • これこそ木造建築だと思う。伝統技術が未来に残せるよう、委員の皆さん、よろしくお願いします。
  • 伝統構法の優れた点である①環境共生性、②改修の容易性、③開口部を広く取ることによる外部空間との親和性を継承していく上で、石場建てが必要。
  • 日本古来の建築工法として、確立してほしい。
  • 地震力が伝達されない事が伝統的工法の特色で、日本古来の構造特性である。
  • 木造日本建築の精神性が石場建てに集約されていると感じます。
  • 石場建てには伝統的な建物の風情がある。
  • 日本の家の原点。
  • 日本の伝統文化である木組み石場建ての家を法律で規制して建て難くする事は、日本の伝統文化を終わらせてしまう事。家はもっと自由で発展性のある文化だと思うので、石場建てが普通に建てられる世の中になってほしい。
  • 真の日本の木造建築物に住み続け、後世にその技術や暮らしを伝えていくためには、石場建てを外して、考えることはできないと思います。
先人の知恵、長く培われて来た技術
  • 基準法が改正されるたびに以前の建物を既存不適格と呼ぶことに疑問。
  • 基準法で壁量規定を設けた1950年以来、図らずも否定されてしまった古い建物がを認めるために石場建てを残して欲しい。
  • 日本人が長い長い時間をかけて培ってきた工法が失われてしまう事にも大きな抵抗
  • 先人達が培ってきて現在残っている家の姿
  • 形には長く家を持たせていくために欠くことの出来ない意味があるという事であります。
  • 先人たちの知恵により過去数百年かけて築かれた工法を、「不適」とする道理はない。
  • 昔から使われている工法なのに、何故できないのか?一般のユーザーにも聞かれる。
  • 私のいる滋賀県湖北地方では、歴史的建造物は、有形文化財、国宝とまではいかなくとも、一般住宅も築50年以上であれば、石場建て。
  • 私の住まいは築200年以上といわれる古民家で、当然、柱は石場建て。歴史が安全を証明するこの工法が設計されにくい現状に憤りを感じる。
  • 生まれ育った家も、今住んでいる家も石場建てだが、いざ新築しようとなる大変。
  • 基準法の在来工法は柱ではなく、壁構造。本来の木造らしい構法といえるのは柱が意思の上に立つ石場建てによる動く構造だと思う。
  • 伝統的構法の技術が継承していけるよう、定着してほしい。
  • 今残しておかなければ技術は永久に失われる。

  • 私たちの時代で、伝統の継承を断ち切ることは無念。
  • 職人が腕を競い合って進歩して来た技術
  • 石場建ては長寿命。数十年で駄目になる家を、造っては壊すという循環をどこかで断ち切らなければいけない。
古民家改修・再生、社寺建築に不可欠
  • 既存の伝統構法は基本的に石場建てなので、既存改修を進めていく上では、石場建てを認める設計法が不可欠
  • 古民家の改修などに応用できれば。
  • 古民家の再生工事に、筋交いを入れたり、コンクリートの基礎を巡らせたりしている工事を見かけますが、「なぜ?」と疑問。
  • 伝統的構法の建物の改修設計、伝建地区の修理、修景事業の設計にあたって、石場建て構法の理論づけは必要不可欠。
  • 石場建ての文化財建造物等(登録文化財や伝統的建造物群の特定物件や未指定物件)の修理に際し、耐震性を確保するために設計手法の整備を早急に進めていただきたい。
  • 京町家を例にすると、町並みの維持が困難になっている要因のひとつに、基礎を新設することを要求する現行の建築基準法がある。立地によっては施工が困難な場合もある。古民家等を維持するために、4号建築物とまでは言わないが比較的簡易な方法で耐力を保障できる構法が認められることは望む。
  • 社寺建築をさせていただいている立場からすると、当然石場立てで建てていきたい。
  • 新建材や金物を使わず、地域性の強い木造建築をしようと思えば、石場建ても必要。
地震が多く高温多湿な日本における柱脚フリーの意義
  • 伝統的な柱脚の形式である。
  • 脚元に遊びができることが良いと、なんとなく知識的に知っているが、もっと深く、知りたい。
  • 足下の修理や移動などが容易くなり、長く生き続ける事の出来る建造物が出来、これからの木造建築には必要であると考えている。
  • 町家などの再生、修復の設計監理を主な業務として設計事務所を主宰しておりますが、足元の処理についてはいつも不安をかかえています。
  • 足元をがちがちに固めて、結果上屋もがちがちに固めていくような考え方は、もう先がないものと思う。
  • 伝統木造は石場建てであってこそ、半剛接的な接合部や土壁の初期剛性が低く靭性に富んだ耐震要素が生きてくると感じている。ホールダウンアンカーをつけると柱脚が脆性的になりがちで、よほど伸びのある柱脚設計をしない限り、上部構造の靭性との釣り合いが悪くなる。
  • 石の上に建てる方が地震に強いのは当然であり昔から残っている建物の多くはそうなっている。柱脚を固定すると地震力を上手く逃がす伝統の技術を次代に伝えられないと思う。
  • 日本の建築の優れた工法であると思います。地震に対しても、地震国であるのに関わらず何百年も現存している建物がある。床下の通風にすぐれている。
  • 足元がフリーなので、地震のエネルギーが伝わり難いことと、床下環境がいいので、シロアリも発生しにくいので、日本の様な地震が多く、湿度が高い様な国では、石場建てはこの上なく素晴らしい構法!
  • 昔ながらで地震に対して有効である工法である
  • 理論的に免震構造になるので建築可能になってもらいたい。
  • 地震動の入力を減少させる先進の構法。特別な装置を必要とせずにできることは素晴らしい。研究の進展と、早い法制化を望む。
  • 耐震について考えると、やはり足元は自由(風の影響の考慮は必要)になることが、未来の日本の住まいには必要
  • 木造建物の伝統的構法として後世へ残し頂きたい。
  • 地震の多い日本において、長い時間をかけて培われた構法。大地からくる地震力が建物に伝わる際に、増幅されるのではなく減衰しながら伝わる、一種の免震構造を形成している。また躯体の維持管理
  • 補修が容易で、耐久性に優れた、建物の長寿命化に繋がる構法。
  • 石場建てという免震構造を調べれば調べるほど、柔構造が日本の風土に合うものだとわかります。
  • 実大振動実験を見て、地盤と軸組がしっかりしていれば、石場建てでも十分安全な家が建てれると実感。
  • 石場建ての安全性がその根拠とともに広まってほしい。
  • 伝統構法とは、石場建てが基本であり、免震構造として、耐震的にもっとも有効と考えます。建築基準法における仕様規定化を目指して、先生方の知見を集めて欲しい。
木を活かす自然な建て方
  • 人間は生きもんなんやから、生き生きとしたもんに囲まれて暮らさんと、なんやおかしなる。石の上に柱を立てるのは、日本の自然の中で、木の命を一番活かせる方法。100年、200年と木にがんばってもらうための技術の積み重ねも、まだぎりぎりなんとか引き継いでこれている、生きた工法。家の骨である木が元気でなければ、家が無事に建っている訳がない。もしこれから、今までの石場建伝統木造の更なる改良を、実務者と学者がペアになりしていければ、先祖の知恵の蓄積の土台の上、さらにさらにすばらしい、日本の未来に貢献できるものになる。現状の解析は必要やけど、それは傾向を解析するものとして位置づけ、良さを失わない改良を模索する段階に早く移って行けることを夢見ています。
  • 木造民家が掘建てから石場建て工法を採り長寿命となった。すばらしいことだと思う。上屋柱の脚部は横架材で結ばれ、足固めされる。重機のない時代に安全で精度が高く、合理的だったと思う。建築時にとてもecoだろう。今なら省エネ等級づけされる工法だと思う。
  • 木造建築においては、コンクリートの基礎を使用するより長持ちするように思います。
  • 限られた資源で所定の要求を満たそうとしてきた技術力の支えが損なわれているのは残念。
  • 人と建物は同じだと思います。自立していて脚が自由で、頭が重い。バランスがとれてれば倒れません。自然体な建て方だと思います。
コンクリート基礎への疑問
  • ひとたび打ったコンクリートは様々な情報を隠蔽する。金物補強の考え、工業化という時代背景もそれを助長するように、施工者の責任感も減ってきたように思う。他に頼る、我がの住まいながら自ら目で見て確認できない箇所があるなど、現代における社会や政治のあり方にオーバーラップするような問題がそこにある。
  • 上物をいくら長持ちさせるように建てても、コンクリート基礎の方が先に寿命が来てしまいます。本当に石を使った石場建てこそ、伝統的木造建築物とセットにならなくてはならないものだと考えます。
  • RCの寿命を考えると石場建てがよい。RC基礎がなければ自重も減り、下がっても部分補修で済み、木造のいろいろな良さが引き出せると考えます。RCでなければならないという制約から離れられます。
地盤や基礎との関係
  • 地盤が石場建ての絶対条件。岩盤や硬土な場所では良いと思うが軟弱な土地には平行方向の建物全体の受け皿が必要と思いますが、その判断をどのラインに置くのかが問題です。地盤(表土)改良しても長い年月にはどうなって行くのかが疑問。
  • 伝統工法では、その木材や人工(手間)に予算がかかるので、その上に地盤改良やべた基礎などが入ると、予算範囲には入ってこないレベルの価格になってしまう。有効な地盤改良+石基礎という方法で何とか全体価格が下がらないか?
上部構造との関係
  • 石場建てにするには、上部構造(フレーム)がしっかりしている事が前提。そのフレームを構成する材料は、やはり昔ながらの天然乾燥で、繊維の強さを残した木材を使用するべき。
  • 石場建て施工は、基本的に瓦屋根の重量木造住宅に適するものと考えています。
  • 古民家においては、石場建てと土葺き瓦屋根がセットであったと思われるがが、石場建てと桟瓦葺きであっても、問題がなければ、残していくべき。
  • 日本古来の伝統構法の粘り強さを発揮するのは、柱の曲げ。柱の曲げの一つの要素は、足固め。足固めと石場建ては、きっても切れない関係にある。
  • 石場建てにしてもよい上部構造の設計であれば、石場建てにしても安全だと思います。
  • 設計だけでなく、左官職人としても仕事をしている立場上、左官工事を最大限に生かせる家を建てるのが、昔からの夢でした。それを唯一かなえることができる建物が、石場建て。
  • 存在しても良いと思うが,条件は必要。多少のリスクもしくは損傷は覚悟すべき。上部構造を固める(ベースシア0.5以上)なら成立するのでは(個人的には,木造などでCo<0.5で建てたくない)
新しい工法でもある
  • 現在の建物にも応用できる部分が有る思います。
  • 伝統構法でありながら現代のライフスタイルに合致するような熱環境も考慮されており、石場建て工法の設計活動、普及活動を目指しています。
  • 固めていく工法によって強度を増す方向の現在の木造では振動の伝え方も直接で、硬い揺れを作り出し、家具の転倒だけでなく心理的な影響もある。石場建てに代表される工法の現代解釈は住宅建築の正しい選択肢として残るべきである。
  • 過去のものとしてではなく、忘れてきてしまった大事な技術のたくさん詰まった建築方法であるという事を再認識し、設計者、施工者がもう一度学びなおすべき。
  • 石場建ては地震が多く、夏場湿度の高い日本の気候風土に合うように先人たちが工夫して考えられた、未来にもつながる素晴らしい建築構法。これを是非残して行きたい。
  • 日本建築の伝統の知恵である石場建てを、弱点を補いつつ新築に使える様にしたい。
  • 日本の風土を踏まえた工法の一つ。本来の形で用いることができるようになることを望む。
  • まだまだ解明されてない部分も多いですが、先人の知恵を信じて未来に残さなければならない技術だと思う。
建て主の要望
  • 近年施主さんからの要望が多い。
  • この情報社会の世の中で、原点回帰の流れがやってきており、それを望むお施主様の問い合わせがここ一年間で確実に増えている。石場建てで建てたいし住みたい、大工さんお施主さんは今後必ず増えてくるはず。
法的な位置づけを作って、選択できるように
  • 一日も早く基準法の変更が実現し、石場建て建築が堂々と復活することを願っています。
  • 仕様等の標準化が望まれる。
  • 新たに建てるというよりは、残すべき既存の石場立ての住まいに住み続け、残していきたいという住まい手の思いに応えられるように、安全性を根拠づけ、法的に認められるようになってほしい。
  • 既存の大工の技術体系を考える上で、大変重要な要素技術である石場建てに、きちんとした形での評価基準が設けられていないことはあり得ないこと。設計法が作られるべき。
  • 構造的に問題はないのに、法的に不可ということで選択できないのは残念
  • 構造の実験による耐力根拠がはっきりとすれば、今後の伝統的工法の位置付けが変わってくると期待。
  • 先人達の知恵の結晶である石場建ては、伝統建築に携わる誰もが容易に建築できうるものでなければいけない。設計法によって建築基準法が犯してきたような縛りが出てこないか心配する部分もあるが、段階的なものとして設計法が適判という縛りから石場建てを解放してくれる手段の一つとなってくれることを祈ってます。
  • 日本の木造構法の原点である構法は合法的に位置づけられるべき。
  • 現代科学の網に通し、ある程度の基準を設けた上で採用できる工法とすべき。
  • 戸建て住宅までくらいの規模は安全性を検証した上である程度の設計基準を設け、建築可能として頂きたい。
  • 設計法ができたら、是非積極的に採用したいと考えております。
  • 足元完全フリーにおける、風荷重
  • 中小地震荷重
  • 大地震荷重の設計法
  • 施工法の確立をお願いしたい。
  • 早く実務で使えるようにお願いします。
  • 日本の伝統的な文化としての設計法の完成に期待。
  • 石場建ては、施工する大工、設計者、施主のレベルが問われる、今の木造住宅にとって最高レベルの建物。その高いレベルの木構造をもっとスタンダートにしていかなければ、職人、設計者、施工主、林業、社会的な底上げにつながっていかない。伝統的な建て方が家づくりのスタンダートになるためにも石場建てを建築基準法上で建てやすいものにいてほしい。
  • 学術的アプローチによりその安全性を在来軸組構法と同程度に担保して、古来から受け継いできた構法が一般的に選択出来るようになってほしい。
  • あまり法のしばりを厳しくしすぎると、すべてハウスメーカーのような家になってしまうので、危惧している。
  • これまで、石場建ての家を薦める事が可能な現場もあったが、確認等が大変だと思い込み、お施主さんに薦めることが出来なかった。法的な位置づけができれば、取り組みたい。
  • 今のままの建築確認審査では、費用、期間等も含めて採用する事は難しいが、その部分がクリアーできれば、石場建ても考えたい。
  • ひとつひとつを限界耐力法で石場建ての検証するには無理があるが、条件付の仕様規定なら可能であろう。
  • 現在の在来軸組工法の壁量計算(金物等による)基準の中での石場建施工には限界がある、工法的に別物と思う。基準法の中で早く伝統的構法の位置づけが必要。
  • 石場建て工法にとって、不利な建設地、建物形状、なども今後検討公開してくださることを、期待いたします。