2007年8月16日

8/11  近山スクール名古屋 第4回第一講義  若齢木対応型構法について 六車 昭氏  六車誠二氏 六車俊介氏

att00109.jpg今回の近山スクールは、杉を構造材として生かし、若い職人を育てながら、魅力的な建物をつくり続ける六車工務店の代表六車昭氏、棟梁六車俊介氏、六車誠二建築設計事務所の六車誠二氏の3人に、『六車工務店の仕事』のこだわりのお話を伺いました。

受講生で受講できなかった方々にも是非お伝えしたい講義内容でしたので、なるべく詳細にノートをとりました。夕食会で教えて頂いたこと等も加えてあります。寺川のフィルターがかかっていることをご承知の上でご覧ください。

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〜木をみて構法を考える〜     戦後造林の杉で、伝統型軸組構法に取り組むために
①「木質構造」ではなく、「木構造 」であること                                                   当社の建物は、「木構造」です。、それも伝統型軸組構法です。伝統型は柔らかい構造ですので、金物、筋交い、合板などは相性が悪いので使いません。となると、プレカットでは刻めない継ぎ手と仕口になるわけです。木材と構法で強度は左右されますので、木目、木の反りなどを見て、使う場所、使い方を考えます。となれば、当然すべて手刻みになる訳です。

②「人工乾燥」ではなく「自然乾燥」であること                                                   香川では構造材として昔は松が使われてきましたが、松くい虫で松から杉への変換を余儀なくされました。杉は水分をたっぷり含んでいますので、乾燥を必要とします。高温乾燥は材の強度面で不安ですし、中低温乾燥では建ててから表面が割れてきます。そこで当社では、「自然乾燥」の道を探りました。乾燥を速めるために、柱の背割(せわり)のように、梁にも背割を入れます。人工乾燥しないことで木材の酸性化を防ぎ、時間と手間をかけることで表面割れを防ぐ“の省エネ”「自然乾燥」こそ、「21世紀の技術」と自負しています。

③すべての関係者の協力で作りあげる仕事                                                 建物を、材木の寿命以上長持ちするようにしなければ、山は禿山と化してしまいます。高齢木なら80年以上の年月が、若齢木でも成長に45〜60年はかかります。建物を長寿にするために、適材適所の材料を製材屋に作ってもらいます。 梁には、下端に目の込んだ白太部分を残して製材してもらいます。、芯の位置を調整して製材を頼みます。基礎の上に載るのは、赤身です。桧材も、土台は赤身というのが基本です。外壁の板に柿渋を塗りますが、後からでは塗れない板の裏側、表よりしっかり塗ります。山で木材を切り出すときから、仕事にかかわるすべての職人たちのプロとしての配慮が、家の寿命を長くします。それを理解してお施主さんが待ってくださり、長く使い続けて頂く時間のサイクルで、山に木が育つことを願っています。

問題①この ような観点からの家つくりも、戦前に植林された高齢木がほとんど姿を消し、戦後の若齢木が市場の大半を占めはじめている現在、若齢木に対応した構法を構築する必要に迫られています。高齢木との根本的な違いは、「芯目が粗い」点。 ホゾ部分が強度の生命線である伝統型軸組構法にとっては、大問題です。

問題②林業の潜在的な課題「木材の乾燥とストック」に加え、根本的な課題として「市場の求める材の基準」を見失い、それに重ねて、人件費の高騰による製材コストUPで、施業計画が立ち行かない状態になりつつあります。

それらの問題をクリアする方法のひとつとして、若齢木対応型構法の実践を始めました。

対策:仕口について                                                                       ホゾ部分の芯目が粗い→大ホゾに→梁の欠損が大きい→梁幅を上げる

結果→横架材を「丸太に一番近い形」である正方形断面(4寸、5寸、6寸)に集約し、→背割を引き通して、ストックする

対策:継ぎ手について                                                                     背割を引き通してあるため、追掛け大栓継ぎ、金輪継ぎ、などの伝統的継ぎ手は不可能なので

結果→肘木、敷桁を応用し、その部分で継ぎ手を行う→そうすることで材の長さの問題にも対処できる

適寸製材の重要性(樹齢45〜60年の標準的丸太において) 目の詰んだシラタ部分を梁の下端に製材する為に
180φ → 4寸角   240φ →5寸角   300φ → 6寸角   360φ → 8寸角 または5寸×尺

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講義にはパワーポイントに加えて動画も用意され、レッカーーを使わない建前の様子なども見られて、大変密度の濃い内容でした。六車工務店さんは若い棟梁をたくさん育てていて、昭氏を加えての平均年齢が31歳、加えない場合は26歳と伺いました。人を育てるコツは『任せること』だそうです。自社の若者だけでなく、各地で大工さん、設計士を育てることに熱心ですの、お近くで講演会などがある場合は、ぜひ聴講をお勧めいたします。             文責  寺川千佳子(近山名古屋運営委員)


2007年8月13日

8/13 杉の野物(受講生投稿記事)

大工さん、工務店にお訪ねします。

杉の曲がり材丸太がある時、平角に挽かずに曲がり丸太のまま小屋梁に使えますか?

梁成さえあれば、水平であろうが曲がりだろうが構造上問題はないと思いますが、どうでしょう。曲がり材が使えれば、山元も出材するのに楽になると思いますが。

わたしは、10年ほどプレカットを見てきていますが、杉丸太の小屋梁は見たことがありません。何か問題点があれば、教えて下さい。

nagasaka

 


2007年8月11日

8/11 近くの山の樹を手に入れること(受講生投稿記事)

 今回のお話は、私にとって大変おもしろく、深く掘り下げて欲しいものと感じました。

 杉材の梁桁を使って頂くのに、もっと楽でもいいはずなのに、困難になってしまった不思議さを感じていました。いみじくも、戸塚様のお話あったように、製材の挽き方がめちゃくちゃだ、と言うのは私も感じています。おそらく注文挽きなので、挽きたい梁寸に合わせて丸太を買ってきて製材するのですが、実際に挽き始めたら思い通りに挽けなかった、注文に合わせて無理矢理取ってしまう、という姿を想像します。 正道では、丸太に合わせて製材寸法を決めていくわけで、体積だけ埋めればいいと言う、現状の残念な姿が見え隠れします。

 余分に挽いてもいつ出るか判らないし、割れたり曲がったりしては、製品がゴミになってしまいます。その点、今回の正角材、背割り材の梁桁は、保管しておけるし、断面寸法種類の少なさは、使い回しの便が良く、すばらしい発想だと思いました。これの規格化に期待致します。

 梁寸が構造に与える影響を考える時、野物(丸太)をつかうごとく、大きければOK というラフな発想が通じればいいと思います。構造設計は、在庫にある寸法で設計してもらえれば、山元の製材は安心して挽いて置いてくれるでしょう。

 山からは、大きくなった材を出す。製材はその材を見てベストの材寸に挽く。構造設計はそこにある材を見て設計すれば、回っていけそうに思います。昔の挽いたり、距離的な融通に乏しかった時代は、そこにあるもので間に合わせて使っていたでしょう。

 近くの山の材を使いたいという共通目的の為に、それぞれが歩み寄っていくことを模索したいと思います。

 私の立場では、このテーマでのさまざまな意見交換が、これから取り上げられることを期待致します。

nagasaka

 


2007年7月15日

7/14 山辺豊彦氏 (渡り腮構法の構造)動画あり!!NEW!!

山辺1渡り腮構法の構造的特性

梁を通すことによる連続梁の効果で、初期変形を小さく抑えて、クリープ変形を少なくする。渡り腮部分の鉛直荷重の支持能力が高いこと。などの軸組についてのことや壁の配置の大切さ、また、実験住宅による検証などについて話された。

また、6/20の建築基準法の改正点について解説をしていただいた。



講義の様子の動画です

動画1

動画2


7/14 丹呉明恭氏 (渡りアゴ構法) 

丹呉明泰2渡り腮構法の住宅の設計と構造

木構造の基本的な考え方から丹呉明泰氏が大工塾を主宰する中から実験と大工さんとの実践の中で学んだ構法を講義

多くの大工さんのアイデアに裏打ちされた木造伝統工法のひとつとして紹介された 

 

 

 

 

 

 

 

 

丹呉明泰3伝統型の構法を選択して技術を残す

 

(耐力壁をバランスよく配置する)

 

 

 

 

 

 

 

 

日本の住宅の実態をグラフにすることにより、わかりやすく解説をしていただいた。例えば、今の日本の住宅は、石膏ボードのゴミをため込んでいることを生産量と建築年代の住宅着工戸数から判断し、処分場の許可数などのなぞを分析された。