〝設計しながら木を刻む〝
講師 綾部孝司さん 綾部工務店取締役

大学卒業後、商業施設を中心にした企画と設計の会社に就職し、充実した日々ではあったが、スクラップアンドビルドの連続に違和感を覚え、住宅設計の設計事務所に移り、さらに木造を深く知るために、家業の大工工務店を継ぐことを決意する。
仕事がデスクワークから現場に変わったことで、木が材料ではなく生き物であること、建築を頭ではなく体で感じ、失敗でできない緊張の日々が感性を鍛えてくれる。「木を活かす気持ち」で取り組むことから、形が決まり、その形を生みだす技術が育つ。伝統構法とは、木を活かす気持ちを抜きには考えられない。
目指すのは、循環に基づいた自然な暮らし。自然な営みの中に活かされていることを、住まい造りを通して伝えたい。だから使う材料は木と土と紙。雨に弱い材料だからこそ、造り手は保守のしやすさを考えて建てる。
建物を長持ちさせるためには、悪くなった部分を見つけ易いことが一番。その為には内外真壁構造が一番。そして床下に潜りやすい石場立てが最適。保守(見つける)は建て主の仕事、工務店は手直しのお手伝いだ。
住まい手は住まいながら育ち、造り手は造りながら育つ。そんな家造りが難しくなっている。必要な材料が身近で入手しにくい。ついで法律が手足を縛る。法律や制度が定める安全の基準や性能は、近視眼的ではないのか?受け継がれてきたすばらしい工法を、未来に繋げられるように、伝統構法の良さを皆さんに知っていただきたい。

(文責 運営委員 寺川千佳子)
〝伝統的構法による木造建築の地震被害と耐震性能〝
講師 北原昭男氏 熊本県立大学教授

京大の防災研究室に所属していたときに、阪神淡路大震災が起こりました。
重たい屋根の建物ほど全壊率が高く、古い在来構法の建物は耐震性が低いとの印象を、構造別の被害率分布の統計データーから受けました。
ならば伝統構法による建物は?との疑問を抱いているときに、鳥取県西部地震、芸予地震(島根県)が相次いで起きました。鳥取県西部地震の大きさは阪神大震災よりやや小さいものの、死者ゼロ、伝統構法の建物倒壊も皆無でした。
被害が小さかった理由を考えると、構造材の寸法が大きく、質のよい材木が使用されていること。優秀な技能が育まれ、ほぞを長くするなどの耐震性に優れた工夫により、大変形をしても仕口部での抜け落ちが抑えられたこと。振動論的には、伝統構法の建物は固有振動数が低く、地震の周期とずれていたため、地震エネルギーの入力を抑えられたと考えられます。
つまり、伝統構法による軸組みは大変形に至っても元に戻る大きな粘り(変形能力)と変形によるエネルギー吸収性能を持っていることが、大地震に倒壊しない大きな理由です。
今後、このような特性を持つ伝統構法をこれからの住宅建設に生かす手法、さらには地震で損傷を受けた建物を修復していくための手法、現存する古民家を後世に伝えていくための補修方法の構築が必要です。

(文責 運営委員 寺川千佳子)
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木の家スクール名古屋2010のご案内
会場について:
l 今年度の講座は、9月18日の第5回一般公開講座とフィールドワーク以外の通常講義はすべて、17号館4階1749講義室(旧サテライト4)で行います。(昨年までと教室は同じですが、表示が変わっています。)
l 第5回(9/18)の一般公開講座の会場は、2号館1階0211講義室です。
l パンフレットを同封致しましたので、今後の日程のご確認用に保管して下さい。
懇親会について:
第1回(5/8)、および第7回(11/6)には、講義終了後、17:30から約1時間程度、軽食の懇親会を開催致します。会場は、講義会場のすぐ隣、17号館1741講義室です。会費は1000円となります。講師・スタッフも参加しますので、是非ご参加下さい。(当日受付時に参加のご意志をお聞き致します)
ご欠席の場合は:
当日の資料は、その次の回にお越しの折にお渡ししています。すぐにご郵送をご希望の場合は、事務局までご連絡下さい。ご欠席の回については、ご希望があればビデオを貸し出し致します。
建築士会継続能力開発制度(CPD)の対応について:
木の家スクール名古屋はCPD認定プロバイダーです。各講座をご受講になったことを建築士会に申請するため、皆様のCPD登録番号が必要です。ご希望の方は、受付にて登録番号をお忘れなくお申し出下さい。
構内の駐車について:
講座当日は名古屋工業大学の構内にて駐車が可能です。入構時に、正門守衛室にて用務先の記入が求められますので、「木の家スクール参加」とご記入のうえ、入構許可証をもらって適宜駐車して下さい。
☆ご質問などありましたら、何なりとお問い合わせ下さい
事務局連絡先:
fujioka@nitech.ac.jp
http://kinoie.web.nitech.ac.jp/
パンフレット
http://kinoie.web.nitech.ac.jp/images/kinoie_flier2010.pdf
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