“これからの木造住宅の構造について”
今回の山辺先生による構造講義が、今年度の『木の家スクール名古屋』の最終回です。
講義の前半は、前回(6月20日)に引き続き『ヤマベの木構造』をテキストにした、
仕口や床剛性の算定などの、木の家の設計実務に直結する実践的な内容の講義でした.
普段は大工さんにおまかせで、特に確認することのない細部の寸法ですが、
こうして応力計算をしてみることで、そこに掛かる力を数値的に確認できました。
掛かる力の大きさを実感することは、
木組みの設計においてはとても大切なことだと感じました。
いつも山辺講義で使用する講義室。各テーブルにディスプレーが設置されているので、
受講生全員がパワーポイントを正確にチェックできます。
そして後半は、受講生から募集した設計事例を題材に、
構造的な解説をしていただきました。
応募は平屋と二階建ての住宅が一例ずつ。そして大きな庫裏の、合わせて三事例です。
木造の構造を検討する上で大切なことはゾーン分けだと言うことを、
この事例でもわかり易く説明していただきました。
屋根の掛かり方や吹き抜けなどを考慮して各部分ごとにゾーン分けをし、
それぞれの部分ごとに、外力に対してバランスよく抵抗するように
構造要素を配置すること。
ただし、基礎は全体が一体となるように地中梁を通して
硬める工夫が必要とのことでした。
今回が今年度の最終ということで、講義後には茶話会を開きました。
しかし、ここでも引き続き山辺先生への質問者が後を絶たず、
悩み多い木構造の奥深さと、
そして、山辺先生の存在の大きさを改めて実感致しました。
今回の講義で2009年は終了致しましたが、
早速運営メンバーでは来年度の講義カリキュラムの検討を始めています。
今回集めた受講者アンケートの結果も参考にしながら、
さらに充実した内容の『木の家スクール名古屋2010』を企画して参ります。
皆さんどうぞご期待ください。
また来年も、共に学びましょう! (運営委員 丹羽明人)