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2013 年 11 月 6 日

木の家スクール名古屋2013 第3回:9/28(日) 第2部

自然エネルギーで自己完結する家を作ろう

 

第二部 講師:O. バルテンシュタイン氏 (工学博士 エコライフラボ統括責任者)

 

バルテンシュタイン氏は、自然エネルギーでのエネルギー自給自足の家の作り方を考案されています。そして、建築は肌や服の次に身近な環境だからこそ、快適さと安心を地域の資源で実現したいと考えられています。

今回は、原発と化石燃料に依存しない快適な家の可能性・技術・設計のポイントをお話下さいました。

 

◆エネルギーについて◆

 

講義は、私たちが日々使用しているエネルギーの話から始まりました。

 

・原子力発電で発生するプルトニウムの半減期は24000年、1000世代を経てやっと半分という時間です。そして機械はいつか壊れ、事故にも会います。このように副産物を生むエネルギーを使用し続けてもいいのでしょうか?

・石油エネルギーは日本の資源ではありません。原油国は内戦が多い地域でもあります。石油の売買で得た利益がその国の国民に還元されているでしょうか? 

・日本では、電気エネルギーの購入は自由ではありません。私たちは、太陽光・風力・水力・火力・原子力、どの電気を購入するか選択は出来ず、販売会社も限られ、価格に競争もありません。

・今は、家電製品ではエネ性能が消費者の購買決定意識に大きく影響しています。自動車の燃費性能も同様です。しかし、住宅ではエネルギー性能を表記して販売する会社はありません。

 

私たちはこのようなエネルギーの消費方法を、受け入れてしまっています。

そして現在の住宅では、石油エネルギーや原子力エネルギーの使用を拒否する事はできないのです。

 

日常で使用するエネルギーを分類すると以下のようになります

・必要不可欠なエネルギー 

→ ペースメーカー 等、生命の維持に必要な物

・常備したいエネルギー

→iPAD・照明・テレビ・携帯 等、災害・震災後直ちに使用したい物 次いで浄化槽・冷蔵庫 等

・快適な生活に必要なエネルギー      

→ ガス給湯器 エアコン 掃除機 ドライアー IH調理器 等

 

自給自足住宅のエネルギー源は、自然にある太陽光・太陽熱(日光・直接光の事)から得る方法と、太陽光発電・薪ストーブ・バイオマスボイラー等の設備から得る方法があります。

そして使用する時は、エネルギー源をハイブリッド化する方法が考えられます。太陽熱を主体熱源とし、薪ストーブを補助熱源、化石燃料を二次補助熱源とするのです。

 

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◆エネルギー自給自足住宅について◆

 

エネルギー自給自足住宅の基本的な考え方は、断熱により、冬は熱を外に出さず、夏は熱を中に入れない事です。そして、熱交換器などを利用し、換気・排水により流出する熱を回収・再利用する事で、必要なエネルギー量を最小限にする事です。つまり、設備機器による省エネ化ではなく、建築そのもので行う省エネ化に、エネルギー自給自足住宅の実現があるのです。

 

・太陽光の利用    → 太陽の光そのものを光として利用する。

・断熱・遮熱・機密性 → 冬は熱を逃さない・夏は暑さを入れない。(基礎・壁・屋根すべてに断熱を)

・換気計画      → 温度・湿度の制御をする。日本では特に夏の湿気が問題となる。

換気は熱交換器を使用し、室内の温度を保つ。(90%回収できる)

一般住宅の場合、床下換気からの熱損失も大きいので対応する。

・排水計画      → お風呂等で排水されるお湯を、床暖房・上水の加温に利用。

 

冷房・暖房の考え方を次のようにします

部屋が寒い時 → 基礎・壁・屋根のすべてで断熱、土間スラブ床暖房なども利用し、躯体で暖房をする

部屋が暑い時 → 基礎・壁・屋根のすべてで遮熱、エアコン等で中の空気を冷却する

 

次に、エネルギーの備蓄を考えます。

戦略的には、バイオマスで長期備蓄、蓄熱タンク・バッテリーで短期備蓄を行います。バイオマスには、薪など、身近にある自然の材料での備蓄が適しています。またエコライフラボでは、住宅用ではありませんが、小型木質バイオマスコージェネレーションによる熱と電気の長期備蓄可能な設備が実用化されています。

 

 このような考え方で設計された住宅・施設では、気候・地域性・季節により影響がありますが、高い自給自足率を達成されています。講義の中では多くの実例を紹介して頂きました。

 

バルテンシュタイン氏は講義の中で、「震災・災害のように何か不測の事態があった時にも、独立自給型のエネルギー源で、照明・電話・テレビ等が使用できれば、人々の安心は増し、情報の伝達もスムーズになります。関東大震災後、基礎設計を担当した施設では、避難場所となる部屋に薪ストーブを設置しました。いざという時の為に、エネルギー源をヒューマンスケールの技術でもって、分散し、地域化し、多面化する事は大切です。現代は、人の寿命が延び、ライフスタイルが変化して、住宅に対する要求が多くなってきました。住宅そのものを快適で、より良くする事は大切です。視野・意識・モラルを広く持ち、住まいで使用するエネルギーについて考えていかなくてはいけません。」と、お話しされました。

2013 年 10 月 31 日

木の家スクール名古屋2013 第3回:9/28(日)

『藤野電力』 市民がつくるエネルギー

 

第一部 講師:池辺 潤一(「藤野電力」発起人、自然住宅の設計士)

 

木の家スクール名古屋 第3回の講義は一般公開講座として開催致しました。

第1部は『市民がつくるエネルギー』と題して、「藤野電力」発起人であり設計事務所Studio ikb+ 代表の池辺潤一さんに。そして第2部には『自然エネルギーで自己完結する家をつくろう』と題し、エコライフラボ事業総括責任者で工学博士のO.バルテンシュタインさんの講義を受けました。どちらもこのところ関心が高まる“自然エネルギー”のお話ということもあってか、大変沢山の一般の方々にもご参加いただくことができました。

 ここではまず第1部の様子をお伝えします。

 

「藤野電力」の活動拠点は神奈川県北端の町、旧藤野町(現、相模原市緑区)です。ここは『森と湖と芸術の町』と呼ばれる緑豊かな山間のまち。この地で“エネルギーの自給を地域の人達と一緒になって楽しく実践する市民活動”が「藤野電力」です。

活動のきっかけは2013年の3.11の震災と原発事故。仲間の一人がその時の停電時に“ソーラー発電と薪ストーブのおかげで安心して過ごすことが出来た”という経験談から始まりました。

 

当初、仲間内で始めた50Wのソーラーパネルとバッテリーを組合せた太陽光発電装置の製作でしたが、作業の楽しさが口伝てに広がり、やがて方々からオファーが入るようになっていきます。こうして藤野電力の活動は自然発生的に始まり、これまでに『太陽光発電システムの組立てワークショップ』は全国で延べ100カ所以上もの場所で開催され、累計発電量は32,000Wに達しました。電気量としてはまだまだ小さなものですが、こうして日本全国に「エネルギー自給のムーブメントを起して行きたい」と、池辺さんはその期待と可能性を話します。

 

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「藤野電力」のその他の活動は、

・  地元アーティストの活動拠点、牧郷ラボ(旧牧郷小学校)100%自家発電プロジェクト

・  自然エネルギー充電ステーションプロジェクト

・  超マイクロ水車発電プロジェクト

・  住宅へのオフグリッド電源設備設置プロジェクト

・  地域のイベント会場での電源供給

などなど、地元藤野に根を下ろした多岐にわたる内容のものです。

 

活動ポリシーは、“理屈よりも楽しさを優先すること。楽しいところに人は集まる。自分たちで出来ることを自分のこととして行う”、というもの。

こだわっていることは、

・オフグリット(独立型電源)・・どこかの電力網に接続するのではなく、独立して運用する。

・身の丈 ・・自分たちの生活スタイルや行動範囲内で試行錯誤して見極めて行く。

・DIY  ・・誰かに頼らず、自分たちで考え、自らの手を動かしてみる。 

・  オープンソース・・知識やノウハウを他地域のみんなとも共有し改善して、緩やかに繋がって行く。 

というものです。

 

これらの様々な活動によって、大学との連携で廃棄パネルの再生が可能になり、充電ステーションが町のお店の利用活性化に繋がり、また、電動アシスト自転車で藤野町の観光を考える行政との恊働の可能性がうまれるなど、「エネルギー自給の活動」は方々に繋がりを広げながら、「藤野電力」が本来の目的とする“地域の豊かな未来”に向けて着実に展開されています。

 

そもそも「藤野電力」は、環境に優しい持続可能なまちづくりを目指す市民運動『トランジション藤野』の分科会として始まったもので、他に「お百姓クラブ」、「森部」、「健康と医療」、「地域通貨 よろづ屋」、「コミュニケーション」などの分科会が有ります。

まちを愛する人達による、“やりたい人が、やりたい時に、やりたいことをやる”を合い言葉にした自発的な活動は、緩やかに、しかし着実に藤野を増々魅力溢れるまちに変えて行くことを予感させます。

 

約1時間半にわたる講義では、笑顔あふれる楽しげな写真と共に様々な活動が紹介されました。そして最後に、池辺さんはこんなお話を・・・。

“たとえ小さな発電でも間違えれば危険が伴うということを、ある出来事から学びました。楽しみながらも、総ては“自分ごと”として捉えることが重要です。電気を自給するということは、同時に今まで電力会社に委ねてきたリスクも引き受けなければいけないということ。これまで電力会社に全てを依存し背負わせてきたことが、あの大きな事故に繋がってしまったのかもしれません。”

 

“自分ごととして捉える!”。

この言葉に、自立分散型エネルギーに真摯に取り組む「藤野電力」の姿勢が現れているのだと感じました。

 

講義後の質疑の中で『太陽光発電システムの組立てワークショップ』の費用についての質問が出ましたので、以下に紹介しておきます。

機材代は ¥42,800円 (1セット)です。

たとえば、神奈川県で開催する場合は2セット以上。三重県辺りでは8セット以上。九州では12セット以上であれば、その他の費用は掛かりません。

尚、見学だけの方には1000円を頂き、会場費などの運営費に充ててもらっているとのことでした。是非、皆さんの地域でも、このワークショップを開いてみてはいかがでしょうか。

 

(文責:丹羽)

2013 年 9 月 18 日

木の家スクール名古屋2013 第2回:7/27(土)

 分子に刻まれた時を読む 森林からはじまる新しい持続的社会を目指して

 

第一部 講師:舩岡 正光(三重大学大学院生物資源学研究科教授)

 
21世紀はバイオの時代と言われています。18世紀までは、エネルギー源として木材を多用し、19世紀には石炭の活用で第一次産業革命が起き、さらに流体資源“石油”の発見で、現在の社会へと移行しました。しかし、資源には常に限界があります。石炭も石油も底が見えてきた現在、次の資源として着目されているのがバイオです。

 

今回の講義では、持続可能なエネルギーや資源をどのように調達できるか?すなわち、生態系のシステムを深く見直し、それを規範とする新しい社会システムをどう構築するか?という、バイオ技術の概要をお話いただきました。

 

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先生の講義を理解する為に、いくつかの言葉をネットで検索し貼付けておきます。

 

①バイオ:バイオロジー(生物学)とテクノロジー(技術)の合成語バイオテクノロジーの略。生物の持つ様々な働きを上手に利用し、人々の暮らし、医療、健康維持増進、食糧生産、地球環境保全等に役立てる技術を指す。

 

②バイオマス:生物資源(bio)の量(mass)を表す概念で、一般的には「再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」をバイオマスと呼ぶ。その代表が、木材であり、廃棄される紙、食品廃棄物、下水汚泥等も資源となる。

 

③カーボン・ニュートラル:木材や農業廃棄物などはバイオマスと呼ばれるエネルギー資源であり、炭酸同化作用により太陽の光を吸収して空気中の二酸化炭素を固定する。バイオマスをエネルギーとして利用する時、燃焼などにより二酸化炭素が排出されるが、植林や農作業により再びバイオマスが大気中の二酸化炭素を吸収する。このため、バイオマスの利用により大気中の二酸化炭素が増加することはない。これをカーボン・ニュートラルと呼ぶ。バイオマスを化石燃料の代わりに利用すれば、二酸化炭素の排出を抑制できる。

 

上記の③の説明を読むと、植物系バイオマスならば、循環炭素の総量が変動しないので、生態系の撹乱には繋がらないと説明されていますが、実は、「エネルギー・機能・時間のファクターの欠如がある」と先生は指摘しています。つまり、何十年もかかって成長した木材を一瞬で燃やせば、その時点での二酸化炭素の量は増加するのです。抑制する為には、木材を構成分子資材へと転換する精密制御技術が必要とされるそうです。「木材を分子にほぐす」、そんな技術があるのでしょうか?

 

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植物系バイオマスの活用に関するプロジェクトは脱石油社会を目指して世界中で立ち上がっているそうですが、そのほとんどが炭水化物の燃焼によるエネルギーの確保に重点が置かれています。それでは、先ほど書いたように、実際には二酸化炭素は抑制できません。

 

二酸化炭素を抑制する視点から、「木材を分子にほぐす」技術を先生が開発しました。木材の95%が、リグニン、セルロース、へミセルロースで構成されています。中でも環境の変化に鋭敏なリグニンの反応を精密制御することがキーポイント。先生が提唱する技術は、常温常圧の環境で、精密な変換を達成する新しい技術、『分子変換・複合系解散システム』です。生物素材の構造を分子レベルで尊重する視点から生まれました。

 

2001年に三重大学構内に一号プラントを建設。2003年には北九州にも建設され、2011年から環境省の補助金を得て、徳島県中川において、木質バイオマス全量活用の実証実験を始めています。

先生の研究内容を詳しくお知りになりたい方は、「リグノフェノールとは」と検索してください。下記のタイトルの先生の研究説明が図解付きで出てきます。

  

  材料化を目指した天然リグニン誘導体

  リグノフェノールの高機能化

 

「21世紀の持続可能な社会とは、深く生態系に根ざした社会であり、その規範とするものは、地球と壮大な年月をかけて共存関係を保ってきた森林と、それを構成する樹木の中にあることを深く認識すべきである」と、先生は講義を結びました。 

 

(文責:寺川)

2013 年 9 月 3 日

木の家スクール名古屋 一般公開講座(9/28)受付中!

木の家スクール名古屋の9月の講座は、一般の皆さんにも公開しております。

参加をご希望される方は、下記のサイトから事前にお申し込み下さい。

 

<一般公開講座の内容>
●「『藤野電力』市民がつくるエネルギー」
講師:池辺 潤一
『藤野電力』発起人、本業:自然住宅の設計

●「自然エネルギーで自己完結する家を作ろう」
講師:O.バルテンシュタイン (Oskar Bartenstein)
工学博士、エコライフラボ事業統括責任者

 

<開催概要>
会 場:名古屋工業大学  講堂2階 会議室 
開 場:12:30~   
受 付:13:00~  
講 義:13:30~17:00   
定 員:100名 (先着順)
費 用:一般 1,000円、学生 無料(要学生証提示)
申 込:WEBサイトより事前申込が必要です
    http://kinoie-school.digiweb.jp/

 

▼問い合わせ・事務局▼
木の家スクール運営事務局(名古屋工業大学 藤岡研究室内)
e-mail : fujioka@nitech.ac.jp    FAX : 052-735-5182

 

是非ご参加ください。

(文責:田中)

2013 年 8 月 12 日

2013年度第1回木の家スクール名古屋はじまる!

2013年度の、緑の列島 木の家スクール名古屋 がはじまりました!

第1回の講師は、岐阜県森林文化アカデミー准教授の辻充孝先生。

 

前半の講義タイトルは、『省エネ法とはなんだ? 1次エネルギーを計算してみよう』。

2020年にはすべての新築住宅が、省エネ法にもとづいた「外皮性能」、「一次エネルギー消費量」の基準に適合する設計とすることが求められます。聞いたことはあるもののイメージしづらいこれらの内容についてわかりやすく解説をいただきました。
まず、環境性能評価手法の整理整頓ということで、品確法、省エネ法、CASBEE、自立循環ガイドライン・・・などなどざっと概観し、平成25年省エネ基準の位置づけなども紹介いただきました。
続いて「環境家計簿」による評価方法を教えていただきました。辻先生のお住まいのを事例に説明いただきましたが、消費エネルギー量の少ないライフスタイルと、とても素敵な木の家でした!

 

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後半では、『結露はなぜ起きる?仕組みがわかれば怖くない』と題して講義をいただきました。

結露被害の実例を挙げていただき、内部結露、表面結露がなぜ起きているのかを説明いただきました。
内部結露を防ぐには、湿気を壁内にいかに入れないようにするか、それと併せて入ってしまった湿気をスムーズに外部に排出する対策を施しておくことが必要。
そのための素材の透湿比抵抗一覧をお示しいただき、透湿抵抗の計算方法、判定方法を説明いただきました。

一見とっつきにくい内容をわかりやすく、そして楽しく説明いただき、終了後には、懇親会にて受講生のみなさんとも交流を深めることができました。

 

今年も一年、どうぞよろしくお願いします!

(文責:宇野)

2013 年 4 月 2 日

木の家スクール名古屋2013 4/1から受講生受付開始!【受付終了しました5/7】

木の家スクール名古屋は、4月1日より2013年度の受講受付を開始しました! 

 

昨年度に引き続き、環境やエネルギーの視点による講義も盛り込み、持続可能な社会という大きな背景のもとで、森と人とのかかわり、木の家づくりとその役割を考えていければと思っております。

 

 「近くの山の木を使った家づくり」はもちろんのこと、「緑あふれる居住環境」、「エネルギーの地産地消」にご関心のある生活者・技術者の皆様にぜひ受講いただきたいと考えております。

■■2013講義案内■■———————————————
講義時間:13:30~15:10 / 15:20~17:00

 

○第1回:6/1(土)
講師:辻 充孝(岐阜県立森林文化アカデミー講師)
第一部「省エネ法とはなんだ? 1次エネルギーを計算してみよう」
第二部「結露はなぜ起きる? 仕組みがわかれば怖くない」

 

○第2回:7/27(土)
講師:舩岡 正光(三重大学大学院生物資源学研究科教授)
「分子に刻まれた時を読む  森林からはじまる新しい持続的社会を目指して 」
  講師:山下 保博(アトリエ・天工人主宰、建築家)
「 建築家のスケール 」

 

○第3回:9/28(土)
  講師:池辺 潤一(『藤野電力』発起人、本業:自然住宅の設計士)
   「『藤野電力』市民がつくるエネルギー」
  講師:バルテンシュタイン(工学博士、エコライフラボ事業統括責任者)
「自然エネルギーで自己完結する家を作ろう」

 

○第4回:10/12(土) フィールドワーク 滋賀県湖東地域の森とkikitoの
          取り組みを訪ねる
  講師:田中 一則(湖東地域材循環システム協議会&一般社団法人kikito事務
     局長)、他
  「山の現状、森林を循環できる仕組みづくり」

 

○第5回:11/10(日)
  講師:安井 昇(桜設計集団主宰、建築家、木造防火研究者)
  「地震に強く、火にも強く、環境に優しい木造住宅の実践例」
  講師:安藤 邦廣(筑波大学芸術学系教授、 建築家)
  「板倉の技術開発と震災の復興」

 

■連続講座(全5回)
○定員:50名(申込先着順)
○受講料 15,000円 資料代含む(初回受講時に受付にて徴収)

 

■一般公開講座(第3回)の受付概要 WEBにて

 

■会 場:名古屋工業大学
JR 中央線・地下鉄 鶴舞駅下車徒歩約8分
※第4回のフィールドワークの集合時間、場所等詳細は別途連絡

 

■申し込み・問合せ・詳細説明

Web受付もしております。お申し込みの方は以下のサイトへアクセスして下さい。 http://kinoie-school.digiweb.jp/index.html(定員に達したため受付を終了させていただきました)
木の家スクール名古屋WEBサイトからパンフレットをダウンロードできます。
http://kinoie.web.nitech.ac.jp/

 

主催:「緑の列島 木の家スクール 名古屋」 実行委員会
共催:NPO 法人 緑の列島ネットワーク
   名古屋工業大学 木の文化研究フォーラム

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皆様のお越しをお待ちしております!

(文責:木の家スクール名古屋スタッフ・田中稲子)

2013 年 3 月 28 日

緑の列島 木の家スクール富山2012 第5回 木組のデザインと古民家再生

木の家スクール富山、第5回の講義を開催しました。早くも、2012年度最後の講義です。
今回は、(株)松井郁夫建築設計事務所代表取締役、また一般社団法人ワークショップ「き」組の代表理事もなさっている松井郁夫先生。
松井先生と言えば、伝統構法の家づくり。新築の家だけでなく、古民家再生も含めて木組の家のいろいろな話をしていただきました。
まずは、伝統構法に学ぶ。
伝統構法は、地域によってさまざまなつくり方があると言われているが、全国各地の民家を調べてみると屋根に違いはあるものの、軸組のつくり方はほぼ同じである。
継手・仕口の種類もたくさんあるようだが、整理してみると限られた数しかない。また使う場所が決まっているので、それさえ理解すれば決して難しいものではない。
ところが、現在言われているところの在来軸組工法とは、日本の伝統構法とは全く違うものである。
胴差や間柱などは、西洋のつくり方が教えられるようになってからのものである。
日本の文化・気候風土にあったつくり方としては、古来の伝統構法に学ぶべきであるし、私たち作り手は受け継いでしていかなければならない。
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そして、木組の家の考え方。
荒れ果てる山、消える大工技術、木の家は高い?、木の家は強い?、木の家は省エネ?、こうした問題点がきちんと解決されないまま、企業や大手がつくりやすい方向に進んできてしまった。
それを見直すべく、日本古来の伝統構法を受け継いだ、つまり日本の文化・気候風土にあったつくり方をする。
その際に、誰かが得をして誰かが損をする、というやり方ではいけない。川上から川下までみんなが共存していくやり方でなければいけない。
日本の山の木を使って、山も経営が成り立つようなシステムである必要がある。大きな意味での循環が続いていかなければいけない。
そして、松井先生の新築・古民家再生の実例を紹介していただきました。
これからは、省エネ・温熱環境も考えていかなければいけない。
伝統的なつくり方、また古民家再生のように残せるものは残しながら、かつ快適な住まいの温熱環境の家づくりが必要である。
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今年度最後の講義にふさわしい、山の話・木の話から木構造・温熱環境まで、これからの木の家づくりの講義をしていただきました。
松井先生の講義の中にあったように、現状の問題に気付いたつくり手たちは、顔の見える家づくり・近くの山の木を使った家づくりを始めています。
国産材・県産材を提唱するネットワークが増えたことは事実なのですが、実際に使われている量・出来上がる数はまだまだだと言って良いと思います。
そういう家づくりレベルではなく、街づくりにまでならないと大きな成果は見えてこないのかも知れません。
こういった現状をみても「緑の列島ワーク」もまだまだ頑張らねばなりません。
今後とも、「緑の列島ネットワーク」よろしくお願いします。
また「緑の列島木の家スクール」富山・名古屋も続けてまいります。
木の家スクール富山も、来年度同じ時期に開講する予定ですので、よろしくお願いします。

 

緑の列島木の家スクール富山事務局 草野鉄男

2013 年 2 月 20 日

緑の列島 木の家スクール富山2012 第4回 改正省エネ法基準解説セミナー

木の家スクール富山、第4回の講義を開催いたしました。
今回は、省エネに関する講義です。講師は住まいと環境社の野池政宏先生。
建築実務者の方はご存知の通り、省エネに関する動きが目まぐるしくなってきました。
ゼロエネルギー住宅や認定低炭素住宅、そして省エネ法が改正となります。
現在の省エネ法基準でさえついていけない人が多いというのが現状だと思います。
また、この省エネ法に対して賛否両論あるようですが、賛否の前にまずはどういう内容のものなのか、そして今回の改正でどう変わるのかを知っておく必要があります。
木の家スクール富山の第4回講義は、今回の改正にあわせて「認定低炭素住宅と改正省エネ法基準丸わかり解説セミナー」と題して講義をしていただきました。
改正と言っても今の基準はどういう内容なのか?、それに対してどう変わるのか?

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まず、現在の省エネ基準
基準には、性能規定(建築主の判断基準)と仕様規定(設計・施工指針)がある。
1、性能規定① 年間暖冷房負荷の基準
2、性能規定② 熱損失係数(Q値)・夏期日射取得係数の基準(μ値)の基準
3、仕様規定  躯体・開口部の断熱性能の基準
上記のように、性能規定に2つの基準と仕様規定が1つの基準と、3つのルートに分かれる。

そして、今回の改正によって
1の基準は無くなる。
2の基準は、Q値→Ua値・μ値→ηa値となり、計算方法も少し変更となった。それに加えて、一次エネルギー消費量の基準も満たす。
3の仕様規定は、無くなる?、移行期間としてしばらく残す?、いずれにしても無くす方向へ。
以上のような改正になるが、これまではほとんどの人が仕様規定に頼っていたため、それが無くなることによりUa値・ηa値・一次エネルギー消費量を計算しなくてはいけなくなる。
この部分が、今回の改正によって大変になるところである。
これを計算するのが、一次エネルギー消費量算定プログラム(建築研究所のHPにある)。

これまでの事業主基準の算定プログラム(IBECのHPにある)を理解している人にはそれほどハードルは高くないが、そうでない人にとっては苦労する。
また、Q値・μ値を計算したことがない人にとっては、相当にハードルが高くなる。
他には、暖冷房の一次エネルギー消費量の評価(計算)において、パッシブ的な要素がかなり組み込まれている。
今回の改正のまとめ
改正省エネ基準は、従来通り建物の基本性能(断熱・日射遮蔽)を担保させながら、具体的に一次エネルギー消費量を計算させることによって、家庭生活由来の一次エネルギー消費量を減らしていこうとしている。
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今までの省エネ基準をよく知らなかった人にとっても、非常に分かりやすく解説していただいた野池先生の講義でした。
これを機に、省エネ基準の数字による評価だけでなく、何が省エネなのかを考えるべきだと思います。
パッシブというと新しいもののようですが、伝統的な民家は庇や長い軒によって日射遮蔽や取得をコントロールしていました。

また、自然素材を活かすつくり方をすることによって、エアコンがない家・エアコンにあまり頼らなくてもいい家にすることができます。
それは数字で評価しにくい快適性なのですが、住み心地という温熱環境にとっては、この部分もとても重要だと思います。
最終的には設計者の目指す方向による違いもありますが、いずれにしても地域に合った省エネな家づくりとは?を見直してみましょう。

 

緑の列島木の家スクール富山事務局 草野鉄男

2013 年 2 月 8 日

緑の列島 木の家スクール富山2012 外部研修 構造要素実験

今回は、外部研修に行ってまいりました。
場所は、金沢工業大学やつかほリサーチキャンパス内にある地域防災環境科学研究所です。講師は、同大学の教授である後藤正美先生。
外部研修は、実験の見学および後藤先生の講義を聞くという内容です。
緑の列島ネットワークが事務局としてお手伝いさせていただいている「伝統的工法の設計法作成及び性能検証実験検討委員会」の実験もここで行われています。
今年も、その実験の一部を見学させていただくことになりました。今回見学させていただく実験は、背の高い土壁の面内せん断実験です。
まずは、後藤先生から実験の説明。

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上記の委員会で、以前から土壁の実験はたくさん行われてきたが、今回の実験は一般的な高さの壁でなく背の高い壁。
一般的な耐力壁実験の高さは2700mmですが、この実験の壁高さは4045mmというとても高い壁です。
これだけ壁の高さが高くなると、耐力は強くなるのか弱くなるのか?
実験を開始する前に、場所を移動して後藤先生の講義から。
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伝統木造は地震に弱いのか?・・・太古の時代から培われてきた木造技術と題して。
五重の塔から一般的な民家まで伝統的な木造建物の耐震性能について、また委員会の実験で分かってきたことなど、分かりやすく解説していただきました。
実験室に戻っていよいよ実験の開始です。
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土壁という耐力要素ですから、粘り強いということは皆さんご存知でしょうが、大きく傾く壁を見てそれを実感しておられたようです。
肝心の背が高いという点での結果は・・・、一般的な高さの壁と比べて少し耐力は下がるもののわずかな差であり、これだけ高くなってもほぼ同じと言って良いという結果となりました。
背が高いぶん傾く量も多くなりますので、最終的には試験機がこれ以上押せなくなるまで傾いて実験終了。
土壁が割れながら力を吸収し、木と木(柱と横架材・柱と貫)がめりこみながら粘っている様子がよく分かった実験でした。
実験を見学することによって、耐力要素のどこがどうなるかを観察し、設計に役立てていただければと思います。

木の家スクール富山では、昨年度までは全講義を受講しないと外部研修に参加できなかったのですが、今年度からは外部研修のみの受講も可能としました。
こういう実験を見学されたい方は、ぜひどうぞ。
では、来年の外部研修(実験見学)をお楽しみに!

緑の列島木の家スクール富山事務局 草野鉄男

2013 年 2 月 1 日

木の家スクール 名古屋2012 第7回:12/1(土)

10周年記念 特別公開講座

 

木の新しい可能性

 

講師:伊東 豊雄 氏

 

本年度の最終回となる第7回木の家スクールは、10周年記念公開講座ということで建築家の伊東豊雄さんをお招きしました。

 

木の建築をテーマにしながら講演をされるのは初めてということで、大変貴重な機会となりました。まず、木質構造による大空間「大館ドーム」における構造と環境形成の試み、木や緑化をテーマとしたTOD’Sビル、GRIN GRIN、瞑想の森などの作品を紹介いただきました。また、木の建築として現在進行中の「みんなの森 ぎふメディアコスモス」についてもお話しをいただきました。メディアコスモスの屋根は薄い木の板を積層させて波打つ形状つくり、内部の大空間にはグローブと呼ばれる傘状の覆いを中心に書架などが渦を巻く構成となっています。渦や波をメタフォアとしながら、自然の光や空気、人の流れを喚起し、自然エネルギーを活かした心地よい空間を提案しています。

 

また、かつての日本の農村や民家に、まちや建築の未来モデルはあるというお話しにも共感しました。「みんなのいえ」は、囲炉裏端でのおしゃべりを豊かにデザインすることを目指したものであり、それが共感されベネチアビエンナーレの金獅子賞にもつながりました。

伊東さんが311以降、心掛けていることがあるそうです。

・人の批判をしない。

・小さなことでもその日から出来ることをはじめる。

・個を越える。

これまでいろいろなことを社会や政治のせいにして、でもエゴは貫こうとしていた。それをやめようと思うとのこと。そんな思いではじめた『みんなのいえ』が、広がっています。素直な気持ちで気持ちよく過ごせる社会、建築を創ってゆきたいものです。

 

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(文責:宇野)

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