2016年01月23日

“八百津の森とつながる  植樹ツアー 2015”

2015年6月14日に植樹体験ツアーを開催致しました。
山がしっかり管理され、木が健全に育てられているおかげで、私達はその木を使って『木の家』をつくることができます。さらに、山が健全であれば、私達の街にもきれいな水や空気が届けられます。私達の生活環境をしっかり支えていてくれている“森林”(やま)を、子供にも大人にも、もっと身近に感じてもらえたら・・・、との思いで続けてきた植樹ツアー。早いもので、今年で10年目を迎えることができました。

開催地は岐阜県八百津町の山。代々、八百津の潮見の山で、主に東濃桧の生産を手掛ける丸河林業さんの森です。今回は丸河林業の河方恭平さんが自ら育てた高野槙の苗木450本を植樹致しました。今年の参加者は親子合わせて総勢43名。特に今回は小さなお子様連れでご参加頂いた方も多くありました。

朝10時。美味しい空気に満ちた丸河林業の作業場に、皆さん清々しい笑顔で集合してきました。まずここで工程の説明と自己紹介を済ませ、さあ、トラックに乗り合わせて植樹場所の山まで移動です。
山に着き、まず初めに苗の植え方の説明です。
植付け場所選びのポイントは、択伐された切り株の周りなど、木立の中でも空間が空いていて明るめのところを探すこと。苗木の生長に陽の光は欠かせません。クワを使って地中に蔓延る根を切るように、直径20cm程の穴を掘り、そこに苗を植え付けます。埋め戻した後は土をしっかり踏みつけて、土中に空間が空かないようにしめ固めるのもポイントです。
参加者の皆さんは、初めのうちは苗を籠一杯に抱えて植付け作業に没頭していましたが、いつの間にか虫取りに夢中になる子供達や、切り株に腰を掛けて森林浴を楽しむ方など、皆さん思い思いに山を楽しんでいました。
それでも、今年も参加人数が多かったおかげで作業も順調にはかどり、植樹は2時間ほどで終了。さあ、作業場に戻って、今日のもう一つのお楽しみ、ホオバ寿司の昼食です。
木陰につくった板のベンチに腰掛けて食べる、河方家特製のホオバ寿司は格別。ここでしか味わうことができないご馳走です。
食事後はしばらくフリータイム。ちょうど田植えを終えたばかりの周りの田んぼでカエルを捕まえたりチョウチョを追いかけたり。思い思いに遊んだ後は、製材作業の見学です。山から伐採してきた丸太がどのように加工されて、私たちが住む家の柱や床板になるのかを、実際の製材機械を回して実演して頂きました。丸太が大きなのこぎりで裁断されて形が変わっていく様子に、子供達も大人も目を丸くして見入っていました。
朝10時から午後2時までのイベントでしたが、最後は『伝統構法をユネスコ文化遺産へ』の活動をみなさんに紹介しながら、山の現状を初め、私たちが是非受け継いでいきたい「木の家づくり」のお話で会を締めくくりました。
今回も丸河林業の河方さんには、苗の準備を初め大変お世話になりました。また河方さんのご家族やご親戚の皆さんには、美味しいホオバ寿司をつくって頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。沢山の皆さんにご協力を頂きましたことを、この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。

かえる採り

集合写真

植樹

一級建築士事務所 丹羽明人アトリエ
代表  丹羽 明人