進捗状況

2012年3月31日

3/7(水) 渡り顎仕口の十字型曲げ試験@金沢工業大学

レポート&速報=事務局 河原大

当日の様子

2012年3月7日金沢工業大学にて、「渡り顎仕口の十字型曲げ試験」の公開実験を行いました。当日は天気も良く、4名の方が実験見学に、中には愛媛からいらっしゃった方もおられました。遠方よりわざわざ、ありがとうございました。

まず、実験検証部会後藤主査より、今回の継手・仕口試験の全体像についての話がありました。今回の接合部の試験体は全国各大学で約800体の試験体について実験しており、この結果を全てとりまとめて評価式を作成することで、実務の方々が自由な寸法関係と種類を選んで、接合部を設計できるようにするという内容で、これについては急務として取り組んでいるとのことです。

当日居合わせた金沢や京都の左官さんから土壁の実態を聞く機会がもてたりと、公開実験参加者同士の意見交換もさかんで、意図していた以上の交流を深められたようです。このように伝統構法建築に関わる人同士が、委員会を通して交流関係を築いていくことについて、うれしく感じています。

試験体

今回は仕口・継ぎ手実験のうち、G2「渡りあご」試験体について、仕口接合部の曲げ(回転)モーメントに対する抵抗性能と、限界変形性能を評価することを目的とし、十字曲げ試験を実施しました。
 

渡り腮の形状


 
試験体G2の試験体概要は次のとおりで、いくつかの寸法のパターンについて実施しました。今回、公開実験として行ったのは、表のうち、G2-4試験体です。
 

渡り腮の図面。変数がW1、W2、h、gで示されている(図をクリックすると拡大します)


 

表のように寸法を変化させた試験体を用意。この日は4の試験体を実施


 
 
加力方法
加力方法は、試験体柱頂部で変位制御水平繰り返し加力を行い、ロードセルを用いて頂部水平力を計測しました。なお、繰り返しスケジュールにおける目標変形角は設置した変位計の計測値を用い、1/200, 1/150, 1/100, 1/75, 1/50, 1/30, 1/20,1/15,1/10,1/7rad の正負交番各1回繰り返しの静的加力を行いました。加力速度は各変形角によって適宜調整しています。
 

実験の経過
1/10rad、1/7rad、解体後の試験体の様子を、写真でご覧ください。
 

面外方向の曲げ(+1/10rad.)


 

上木側面のめり込み(+1/7rad.)


 

解体後


 
 
実験結果
G2-1.1,G2-3.1との比較における、G2-4.1の履歴ループと特性値を示します。
 
復元力特性のグラフ

復元力特性のグラフ


 

完全弾塑性モデルの特性値


 
やや、±時での耐力に偏りが見られることがあるが、おおむね左右対称といえるようです。また、荷重は今回行ったG2-4は、G2-1よりも接触面が大きく、G2-3よりも小さいためそれら中間となりました。しかし、δy、δuはほぼ変わらないことが分かります。