進捗状況

2012年2月16日

2/11足固め仕様土壁フレーム水平加力実験@岡山理科大学

レポート=和田洋子(検討委員会 事務局、一級建築士事務所有限会社バジャン)

2/11(土)午後3時より、岡山理科大学工学部建築学科の構造実験室で足固め仕様土壁フレーム水平加力実験が行われました。ただでさえ寒い日でしたが、コンクリートと鉄骨で作られた大空間の寒いこと寒いこと。この実験を担当されている土壁WGの山崎雅弘先生は冬男なのですが、さすがにシャッターを締めて実験を行なっていました。

締まっているシャッターの内側が構造実験室

この日、加力するのは貫が3本入った足固め仕様の軸組で、軸組だけの耐力を知るために行う地味な実験です。

梁と足固めの間に、貫が3本入っています。

昨年度の実験で得られた土塗り壁の耐力から軸組の耐力を差し引くと、土壁だけの耐力が求められます。差し引く軸組分の耐力を計測するためのデータ取りをするというのが、今回の試験の目的です。試験体には柱に合計2tの錘を掛け、1/480rad、1/240rad、1/120rad、1/90rad、1/60rad、1/45rad、1/30rad、1/20rad、1/15rad、1/10radまでの加力をプラス方向、マイナス方向の各3回ずつ、都合30回の加力を行いました。

傍らで次の試験体の歪ゲージ貼りを黙々と行なう学生さん達

 
1/120radあたりから軋み音
だんたんテンポが早くなる

実験が始まってまもなく、1/120radあたりからバキッ…バキッ…と少しずつ木が軋む音が始まりました。1/90radになると、軋み音は早くなり、1/60radではお囃子のようなテンポの早い音が実験室に響きます。1/45rad・2回目の加力の際には、これまでとは違う、少し大きな音が聞こえました。柱頭のホゾにヒビが入り始めた音かもしれません。担当の山崎先生によると、これまでは1/20radあたりで柱頭のホゾが壊れたのではないかというような大きな音がしたという事でしたが、今回は1/20radでは特に大きな音はせず、相変わらずお囃子のようなテンポの早い音が続いていました。

 
1/15radあたりでホゾの破壊と耐力の低下

それでも、さすがに1/15radに入ると、1回目加力(引き)でバーンという大きな音がして「これはいよいよホゾが壊れたのではないか」と思いました。荷重と変形を表す履歴曲線は音がした部分で少し凹みました。その後は何事もなかったかのように1回目加力が進むかと思った矢先に、押し切ったところで前より大きな音がしました。この時も履歴曲線はグッと凹みました。

ホゾが壊れたと思われるところで履歴曲線に凹みがあらわれた

ホゾは壊れた(だろう)後は耐力が低下し、2回目加力の履歴曲線は1回目とは違うループを描きました。一見かなり耐力が落ちたように見えますが、錘を考慮して修正すれば、そう極端な落ち方ではないそうです。耐力としては2kNくらいでしょうか。(山崎先生による速報をお待ちください)

ホゾ破壊後の履歴曲線

ホゾ破壊後の履歴曲線

 
最終加力1/10radへ

さて、いよいよ1/10rad加力が始まりました。1/15radの時よりひときわ大きな音が断続的に続きました。まるで軸組のあちこちが悲鳴をあげているようです。足固めの竿も浮き始めました。満身創痍の状態で実験は終了しました。

実験終了時の試験体

足固めまわりのホゾ破壊の様子

実験終了までの履歴曲線

 
解体部材に見るホゾの破壊状況

実験室にこれまで実験を行なった5体の試験体の解体部材がありました。1/10まで加力しきった試験体の全てにおいて、柱頭のホゾは壊れたそうです。