進捗状況

2011年8月16日

振動台実験検証WGより 「通し柱効果に関する検証実験」の速報

速報:山田耕司 (振動台実験検証WG主査 豊田工業高等専門学校)

はじめに

「振動台実験検証WG」では、7/26・28、 8/4・8の4日間、京都大学防災研究所の強震応答実験装置(振動台)を用いて、「通し柱効果」に関する基礎実験を行いました。ここでは「通し柱効果」を図1のイメージで定義しています。他の構造形式で言えば、「連層耐震壁により建物各層の層間変位を均一化する」ことになり、連層耐震壁の役割を大断面の通し柱に期待しています。

実験概要

実験は、径の異なる通し柱を用いた試験体を用意し、100ガルから順次加振していきました。
試験体は、図2に示す2階建て木造軸組(土台仕様)で、平面形状は2間×3間(3,640mm×5,460mm)としました。積載荷重として、各階40kNの錘を載せています。通し柱は4寸もしくは6寸とし、本数は各々4本もしくは6本としました。

耐震壁の上下階のバランスは、2種類:「1階2階のバランスの良い」「1階2階のバランスの悪い」とし、「1階2階のバランスの良い」試験体では1階壁4枚2階壁4枚、「1階2階のバランスの悪い」試験体では1階壁4枚2階壁8枚としています。耐力壁は、荒壁パネルを用いています。胴差は、雇いホゾ(30×120mm)を介して通し柱に緊結しています。

実験結果

今回の実験では試験体を使いまわすため、1/30radで加振を止めています。ただし、一連の実験の最後の加振では、通し柱が折損するまで地震力を大きくしました。実験で得られた層間変形角を図3に示します。

通し柱(4寸)試験体では、通し柱本数、1階2階のバランスの良し悪しに関わらず、同じような層間変形角が計測されました。また、最後の実験では、加振加速度が大きくなるにつれ、1階に変形が集中し、450ガルの加振で、通し柱の1階柱頭部において折損が生じました。

一方、通し柱(6寸)試験体では、通し柱(4寸)試験体程ではないにしろ、通し柱本数、1階2階のバランスの良し悪しに関わらず、同じような層間変形角が計測されました。しかし、図からも分かるように、通し柱(4寸)試験体に比べて、各階の層間変形角の差が少なくなっています。その後、600ガルまで加振しましたが、通し柱(6寸)試験体では通し柱の折損は観測されませんでした。なお、雇いホゾを止めていた鼻栓は曲げ破壊をしたため、柱と胴差の間に隙間が生じていました。

おわりに

以上の実験より、本実験で目的としていた「通し柱効果」が確認されました。来年2月には、石場建て仕様の試験体で同様の実験を行い、石場建て仕様における「通し柱効果」の有無を確認する予定です。なお、実験に際しまして、ご理解とご協力をいただきました方々に厚く感謝申し上げます。

事務局による当日のレポートもご覧ください