進捗状況

2012年10月21日

9/1(土) 床版実験@福山大学 事務局レポート

山陽道・福山東I.C出口近くまで来ると、福山大学は真横に見える。I.Cを降りてから、山道をぐるっと廻り「すぐのはずなのに、道を間違ったかな?」と不安になった頃、山の中に突然大学が現れた。実験が行われるハイテクリサーチセンターは正門からずっと奥に入った場所にあった。ほとんどの大学が環境に恵まれているが、ここも緑豊かな素敵な大学だ。

素晴らしいのは環境だけでなく、会う学生がみな元気がいい。おまけにハキハキとした挨拶をしてくれる。これは他の大学では余り経験がない。気分よく実験棟に入ると、鎌田研究室の学生たちが、これまで会った学生の中でもとびきり元気よく挨拶をしてくれた。これも鎌田先生のご指導の賜物だろうか。

公開実験の見学者は11名、鎌田研究室の学生たち4名が手際良く実験準備をしている。見学者の中には実験検証部会の山田先生、村上先生、瀧野先生や、材料部会の和田委員の顔があった。今回の試験体の隣には、8/29に既に実験を終えた「斜め釘打ち」試験体があった。見学者は興味深そうに「斜め釘打ち」試験体を観察している。

実験準備をしていた学生に質問すると、「斜め釘打ち」試験体は1/9radまで変形をさせた後、元に戻したそうだ。

外から見る限りでは大した損傷はない。板と板の隙間が少しばかり大きい箇所がある位で、
柱にもめりこんだ痕はない。変形が進むにつれ、板に押されて柱角がほんの少し丸みを帯びている程度だった。

予定時刻を過ぎたので、鎌田先生の実験内容の説明が始まった。プロジェクターに実験概要を映して、鎌田先生らしい丁寧な説明だった。

測定変位は「柱からの距離」、変形角は1/450、1/300、1/200、1/150、1/100、1/75、1/50、1/30、1/20、1/15、1/10、1/9を測定する。

1/100までは加力しているのかどうか、ほとんどわからない。ジャッキを動かすポンプの音しか聞こえない。それでも1/100からは、ポキッという音が稀に聞こえる。やっと木が“鳴き”出したのだろう。
1/75に入って、ようやく時々バキバキという音が聞こえ出した。これからだんだんと騒がしくなるはず、と少しワクワクする。

1/50になると、ひきりなしにおもちゃのドラムのような音がする。タンタカ、タンタカ、タラララララン…。モニターを見ると1/50でmax5kNくらい出ている。

脳天打ちの釘がどういう風に動くか興味があったので、試験体が上から見える場所に移動した。上から見ると加力をしているジャッキや、試験体を抵抗なく滑らせるローラーが良く見えた。

押し・引きとも見事に釘は斜めになっていた。床が壊れる事もなく、柱が酷く損傷する事もなく、淡々と押されても引かれても斜めになるだけだ。

どれくらいの耐力が出たかは鎌田先生の速報で確認して欲しいが、「斜め釘打ち」より「脳天打ち」の方が大きな耐力が出たのは間違いない。

根太の上に直接床仕上材を施工する際、現場では「斜め釘打ち」をする方が多いと思う。床構面の剛性を得るために、設計者や施工者はどうすれば良いのか。床の剛性だけではなく、建物全体の耐力バランスも考慮しなければならないだろう。

こうやって、ひとつひとつの実験を積み重ねて行って、「現場で使える」本当に安全な建物を探っているのだ。この実験も今後の設計法の作成に大きな貢献をしてくれると思う。鎌田先生の速報を期待して待ちたい。