進捗状況

2012年10月1日

実大震動台実験 9/19レポート


実大震動台実験の2日目。この日も朝9時から損傷観察メンバーのミーティングです。


吹き抜けがある階段室の壁は、1日目の実験で損傷していた土壁を剥がし、荒壁ボードに張り替えました。(No.5、No.6共、比較のために同じ部分を張り替えました)


試験体No.5の玄関部分。剥落した土壁は補修しました(中央上)。


試験体No.6の玄関部分。


この日の最初の実験では、No.6の試験体は足元を固定します。地長押を金具で振動台に固定します。


12時、受付開始です。東京や富山から熊本まで、200名以上の方々にお越しいただきました。


2階と3階が、一般見学者用のスペースです。2階中央付近の人がまばらなのは、プレス・関係者用になっているからです。


[加振7] No.6柱脚固定 極稀地震 ・BCJ-L2 100% 短辺方向(振動台Y方向)
手前が足元フリーのNo.5、奥が地長押を振動台に固定したNo.6。屋根の動きなどに、ふるまいの違いがわかりやすく現れています。


加振後、損傷観察メンバーが試験体に向かいます。


補強されていたNo.5の「り-1」の柱脚には、めだった損傷はありません。


No.6の「り-1」の柱脚も同様です。


足元を止めつけていない試験体No.5は移動していました。「り-14」の柱脚です。


試験体No.5の「1通り」の壁面です。一階の柱間が狭い部分の土壁に亀裂が多く入っているのがわかります。


試験体No.6の「1通り」の壁面です。No.5と同じような位置に亀裂が入っています。


試験体No.5の玄関部分。補修した土壁にわずかに亀裂が入りました。


移動してしまったNo.5を元の位置に戻すために、前日と同様、柱脚の下に滑りやすくするための板をいれて動かします。


損傷観察と2回目の実験の準備の最中、安全確保のため、一般見学者の方々は遠い位置からの見学となりました。


待ち時間を使い、損傷観察メンバーだけでなく、一般見学者として来場された大工職人さんにもご協力いただき、材木の目視選別調査を行いました。


[加振8] No.5 & No.6柱脚フリー 巨大地震 JMA-神戸 3方向
2つの試験体共、足元はフリー。手前がNo.5、奥が地長押がまわっているNo.6。


加振直後の制御室。みな、録画ビデオを再生しているモニターを見上げています。


加振直後の二つの試験体。


試験体No.5の玄関部分。補修部分の土壁の亀裂が進みましたが、剥落はしませんでした。


試験体No.6の玄関部分。


試験体No.5の内側、「1通り」の壁面。外側と同様、床面から少し上がった部分の土壁に亀裂が走っています。


試験体No.6の外側、「1通り」の壁面。No.5とほぼ同じ位置に亀裂が入っています。


プレスへ実験結果の解説をする鈴木祥之委員長。


質疑応答の時間に、質問する記者。


全ての加振実験が終わり、振動台からの移動を待つ、二つの試験体。


最後に、加振前に撮影した実大震動台実験スタッフ一同の写真を。みなさまご協力ありがとうございました。

併せてお読みください
[ 17日のレポート ]
[ 18日のレポート ]

実大震動台実験 9/18レポート


大会議室では朝9時から損傷観察チームのミーティングです。


E-ディフェンスでの作業には、必ず安全講習をうけなくてはなりません。立入禁止場所と時間、守らなくてはならないことなどの講習をうけます。この甲斐あってか平成18年4月から無事故だそうです。


加振を待つ試験体。この後、地長押をまわした試験体No.6の足元を固定しての実験です。


[加振2] No.6柱脚固定 稀地震 BCJ-L1 長辺方向(振動台X方向)


1・2回目のBCJ-L1の加振後、試験体No.6を振動台に固定していた金具を外し、動くようにします。


試験体No.5の柱脚。固定はしていないのですが、BCJ-L1では、柱脚の移動はわずかでした。


損傷観察中の試験体


制御室から見る試験体


[加振5] No.5 & No.6柱脚フリー 極稀地震 BCJ-L2 100% 短辺方向(振動台Y方向)


加振直後、記録したばかりのビデオを大会議室で見る損傷観察メンバー


BCJ-L2 100% 短辺方向(振動台Y方向)の加振後、損傷観察の開始


妻面など、何ヶ所かの土壁にクラックが入りました。


No6の試験体 BCJ-L2加振後の柱脚部分です。


試験体をみつめる鈴木祥之委員長(右)


位置ずれを起こした試験体を元に戻す作業です。試験体をジャッキで持ち上げ、滑りをよくするためにシリコンスプレーをかけた鉄板やアクリル板を柱脚の下に差し込みます。


あらかじめ試験体につけてあったボルトにチェーンブロックをつなぎ、慎重に試験体を元の場所に戻します。


[加振6] No.5 & No.6柱脚フリー 極稀地震 ・BCJ-L2 100% 長辺方向(振動台X方向)


この日、最後の損傷観察に向かうスタッフ


試験体No.5の柱脚を調べる鈴木祥之委員長


試験体No.5の吹き抜け部分、2階の壁面。柱と土壁との間に隙間があいています。


同じくNo.5階段室の、こちらは1階の壁面。No.6も、ほぼ同様の状態でした。


試験体No.5の玄関部分。土壁が一部剥落していました。


その裏側。


地長押がある試験体No.6の玄関部分です。土壁の剥落はありませんでした。

併せてお読みください
[ 17日のレポート ]
[ 19日のレポート ]

2012年9月20日

実大震動台実験 9/19 ビデオ速報

※どちらも、手前に見えているのが
 試験体NO.5(地長押なし、石場建て)です。

■2012年9月19日 実大震動台実験 BCJ-L2 短辺方向 試験体NO.6固定

■2012年9月19日 実大震動台実験 JMA-神戸 3方向

2012年9月18日

実大震動台実験 9/18 ビデオ速報

※どちらも、手前に見えているのが
 試験体NO.5(地長押なし、石場建て)です。

■2012年9月18日 実大震動台実験 BCJ-L2 短辺方向

■2012年9月18日 実大震動台実験 BCJ-L2 長辺方向

今回の実大震動台実験では、9月19日の一般公開実験に先立って18日にも実験を行なっています。建物の固有振動数を計測するためのホワイトノイズ波を除けば、18日の加振は全部で6回ありました。

NO.6柱脚固定・稀地震
・BCJ-L1 100% 短辺方向(振動台Y方向)
・BCJ-L1 100% 長辺方向(振動台X方向)

NO.6柱脚フリー・稀地震
・BCJ-L1 100% 短辺方向(振動台Y方向)
・BCJ-L1 100% 長辺方向(振動台X方向)

NO.6柱脚フリー・極稀地震
・BCJ-L2 100% 短辺方向(振動台Y方向)
・BCJ-L2 100% 長辺方向(振動台X方向)

実大震動台実験 9/17レポート


振動台に置かれた2つの試験体。手前がNO.5で、奥がNO.6。


今回の2つの試験体NO.5とNO.6。NO.6の足元が「地長押」で固定されていることの他は、2つは全く同じ構造です。では、実験見学では地長押の効果だけを見ればよいかというと、そうではありません。


2010年に行った実験で使った試験体は、総二階のシンプルな建物でした。上の写真は2010年の時のものです。しかし今回は下屋がある「部分二階」で、玄関まわりや階段室の吹き抜けなど、より現実の建物に近い構造となっています。そういった複雑な構造を持った建物が、どのような挙動をするのかが、大きな見どころなのです。


試験体NO.5(左)とNO.6(右)。NO.6に地長押しがまわっているのがわかります。19日の公開実験では、1回目の加振では地長押しを金具で振動台に固定し、2回めの加振で、金物を外してフリーの状態にします。


地長押のアップ。


玄関まわり。出入口部分がどのように振る舞うでしょうか。


階段室は大きな吹き抜けになってます。2階には板壁も見えます。


実験検証部会の後藤正美主査。


試験体を見上げる、設計法部会の斎藤幸雄 主査。


検討委員会の鈴木祥之委員長。いよいよこの3年かけた事業のクライマックスです。

併せてお読みください
[ 18日のレポート ]
[ 19日のレポート ]

2012年7月17日

6/30(土) 今年度の全体会議が行われました。

全体会議の冒頭で挨拶をする鈴木祥之委員長

2012年6月30日、立命館大学 びわこ・くさつキャンパス コアステーションにて、「伝統的構法の設計法作成及び性能検証実験検討委員会」の全体会議を行いました。会議は、まず「平成 24 年度検討委員会の目的と事業概要」から始まり、今年度の各部会の事業計画を発表した後、部会ごとに別れて部会会議を実施しました。本記事では全体会議の概略をお伝えします。

会場となった立命館大学 びわこ・くさつキャンパス コアステーション

設計法部会には、設計法作成WGと課題検討WGを設置

昨年度までは、標準設計法、詳細設計法、汎用設計法の各設計法ごとにWorking Group(以下WG)を設置し検討を行なってきました。今年度はこれまでの成果を共有するため、設計法部会の組織を改変し、設計法作成WGと課題検討WGの二つのWGに集約することにしました。

今年度の設計法部会の体制

9月に行われる実大震動台実験までに設計法試案をつくり、実験でそれを検証したいと考えています。最も一般的に使われることになるであろう標準設計法は、柱脚と地盤との結合条件の違いによって、
 標準設計法A:水平方向上下方向とも拘束する
 標準設計法B:水平方向のみ拘束する
 標準設計法C:水平方向も拘束しない
の3種類を作成中です。全体会議では、柱脚の構造や地震の際の挙動に関する検討課題の解説をしました。

柱脚の設計

実験検証部会:実大震動台実験 試験体No.5、No.6

この9月には実大震動台実験を行います。試験体は No.5 と No.6 の2体で、No.5 はいわゆる「石場建て」で、 1 階柱脚を礎石の上に直接設置しています。No.6 は、No.5 の1階柱脚に『地長押』を設置し柱脚間を接合したものです。No.5 と No.6 の違いは地長押の有無のみで、軸組・壁等は同じものです。主要な耐震要素は土壁と柱梁接合部のめり込み抵抗で、筋かいや接合金物は用いていません。

9月に行う実大震動台実験の試験体No.5、No.6

構法歴史部会:今年度は各地で伝統的構法普及活動を行うキャラバンを

構法歴史部会は、今年度も昨年度と同じ体制で、伝統的構法のまとめと広報活動をしていきます。昨年度までの事例調査WGおよび文献調査WGの成果をまとめ、伝統的構法を一般の実務者に広報するための伝統的構法普及活動(構法キャラバン)を、各地の建築士会、伝統構法に関心のある建築関係団体の協力を得ながら、全国6地域以上において実施していく予定です。

活動の成果の一つ:下屋の分類

材料部会:

今年度の材料部会では、天然乾燥された無垢材の適正な評価に資する科学的データを取りまとめること、多くの伝統的木造建築物の劣化調査結果の取りまとめと耐久性調査のマニュアルを完成させること、そして伝統的構法の建物の設計・施工にあたり、実務者が必要に応じて古材を安心して再利用できる道筋を拓くためデータを取りまとめること、等をしていきます。

全体会議の様子

2011年10月31日

キャラバン福岡・熊本、無事終了しました

今年度の検討委員会の主要事業の一つである「全国8ヶ所キャラバンツアー 講演会&意見交換会」が、10/29 福岡、10/30 熊本を皮切りに始まりました。このWebサイトでも順次レポートをしていきますが、まずは速報として、写真を公開いたします。


福岡の会場となった、LIXIL福岡 総合ショールームの4F 大会議室。福岡はNPO法人 森林をつくろう主催の「新・木造の家」設計コンペと同時開催となったため、学生さんたちの姿もありました。


真剣に講演会に聞き入る参加者のみなさん


鈴木祥之委員長による概要説明


設計法部会の齋藤幸雄 主査による「これからの設計法の考え方」の解説


設計マニュアル技術検討WG主査の奥田辰雄による「限界耐力計算運用マニュアル(案)について」の解説


講演会終了後、会場を変え、意見交換会を行いました。


意見交換会の冒頭に、講演会で話し足りなかったことの補足説明をする鈴木祥之 委員長


「NPO法人 森林をつくろう」の佐藤和歌子 理事長


熊本の会場となった熊本県立大学。福岡に引き続き、あいにくの雨天での開催となりました。


講演会の会場となった、中ホール


当日は70人ほどの参加者がありました。


木造住宅の劣化判断及び対策について解説する、藤井義久 材料部会耐久性WG主査


熊本では、会場のスペースに余裕があったため、意見交換会の傍聴をすることができました。

数日内に、各会場での意見交換会の記録ビデオを公開予定です。講演会の記録ビデオに関しては、キャラバン全日程が終了後、公開します。

2011年7月27日

7/22(金)切妻屋根の面内せん断試験@近畿大学

7/22当日は、担当委員を含め、30名ほどの参加となりました。

今回の実験は、両側の軒桁を加力することにより屋根を水平構面として評価する際の床倍率を求めるものに相当します。試験体は、軒方向に4P妻方向6Pで4.5寸勾配の対称切り妻屋根、小屋貫あり瓦荷重ありというものです。

試験前の結果予測、考え方は

「在来工法切り妻屋根では野地板に合板を用いるため、垂木-桁接合部の破壊が支配的となりますが、伝統構法では野地板面のせん断剛性が低いため、小幅板の野地板がずれるのみで、垂木-桁接合部の破壊は見られず、野地板に打った釘のせん断性状からおおむね計算で屋根全体のせん断挙動が推定できる。」

ということでした。実験を行ったところ、当初の予測通り、軒桁間のせん断変形角が1/15[rad.]を超えても試験体に顕著な破壊は生じず、野地板のずれが支配的ということとなりました。

荷重-変形角関係、野地板のずれのグラフです。

今後これを含めた一連の実験を通して、屋根構面の評価式を作成されていくということです。

2011年2月8日

試験体解体損傷観察 記録映像

試験体No.3とNo.4の、解体損傷観察の模様を記録した映像です。

2011年2月6日

2/5 試験体No.4 解体損傷観察

仕口部分 記録写真撮影

ずらっと並んだ通柱

折損 通柱柱脚

含水率測定

めりこみ測定

込栓、車知栓、楔

めりこみ跡が残る楔

損傷観察後の会議の模様

2月3日の試験体№3に続き、4-5日に試験体№4(石場建て・土壁仕様)の損傷観察を行いました。

他の試験体と同じく小屋組や横架材には大きな損傷は見られませんでしたが、柱の大きな損傷として、通柱柱脚の折損があります。
この損傷は実験中に既に確認されていましたが、解体をして改めてどういう状態で折損しているかを確認しました。
損傷を受けた原因を探るため、この日は他の部会からも損傷観察員が派遣され、作業後に会議を行いました。

試験体の詳しい損傷の状況は、3月19日(京都)、3月26日(東京)に開催するフォーラムでご説明を行う予定です。